当院に日々、新規の初診でお越しになられる患者さんからよく「ここがいい歯医者さんだから来ました」とよく耳にします。
しかし「いい歯医者さん」とは何とも実態の無い表現です。
人によって「いい歯医者さん」についてこんなことをよく聞きます。
「何でも言った通りにやってくれるから」
「全て保険診療で良心的だから」
「予約関係無くいつでも都合のいい時に診てくれるから」
「日曜祝日深夜まで診察しているから」
「優しく自分がしていることを全て認めてくれるから」
「痛いこと、しんどいこと、一切しないから」
こんなことがよく聞かれます
。
しかしよく考えて下さい。
ではどうして歯が悪くなって歯科医院にかかっているのですか?
その理由を考えないといけないのではないでしょうか?
「何でも言った通りにやってくれるから」
これって要するに歯科医師としての診査・診断・治療計画を全く立てずにいることになります。
「全て保険診療で良心的だから」
日本の歯科保険診療は確かに生きていく上で最低限の治療はカバーしていますが、皆様その程度の治療結果で果たして満足されますか?
「予約関係無くいつでも都合のいい時に診てくれるから」
今どき感染対策は必須です。でも何時、何が、どのくらい必要なのか全くわからない状況できちんと感染対策の準備が出来るのでしょうか?
「日曜祝日深夜まで診察しているから」
歯科の研修の殆どは日曜祝日深夜にありますが、ここを診療に時間を使ったら、一体歯科医師はいつ勉強して質の高い臨床を提供出来るのでしょうか?
「優しく自分がしていることを全て認めてくれるから」
歯が悪くなる病気になったということは、どこかが間違っているから病気になったのでは無いでしょうか?
「痛いこと、しんどいこと、一切しないから」
大きな処置が必要な病気でも放置するのが正しいのでしょうか?せめて麻酔の注射の痛みと処置に必要な開口は我慢していただかないといけないのではないでしょうか?
私の考える「いい歯医者さん」とはそれらとは全く異なります。
私は患者さんを受け入れるに当たって診察時間外にどれほど準備や勉強に時間と労力とコストを費やしたか、だと開業する前からずっと信じて続けています。
またどの患者さんも何よりご自分の貴重な時間を割いてまでしてお越しいただいているからには予約の待ち時間を極力ゼロにする努力を常に怠らないことは当たり前です。
ですからうわべだけの「いい歯医者さん」をお求めの方には全く理解していただけないはずです。
当院は予約に関しては厳しく、予約ルールを守らない方には応急処置以外は行いません。またいくらごねられても正しいと信じた自分の治療方針も絶対に曲げません。いくら気分を害されようとも間違っていることははっきり間違っていると言います。短時間ですが必要があれば自費診療の話もします。
一方、毎朝近所の中央市場が最も活気付いている早朝の時間帯に出勤して感染対策や勉強をしています。休日のかなりを歯科の研修に費やして、自分の人生を歯科臨床に大きくささげています。
急患の方は別ですが、予約患者さんに関しては予約を必ず守れるよう、もしくは手抜き治療にならないよう、受け入れの患者数も医院の容量を越さないようある程度セーブしています。
ですので上記のような方針と合わないマインドの患者さんも今まで数多くご来院されましたが、相性が合わないのでお越しにならなくなりました。
そして今では年々共感できる患者さんの再来院の割合が増えてきて、歯科医院の方向性がより一層明確になってきております。
私は年中こんな方針で歯科医院をやっていますので、新規での来院をご検討されている方は、ご理解いただきますようお願いいたします。