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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
矯正治療の基本中の基本をおさらい
林歯科診療所では多くの矯正治療を行っており、その比率は年々うなぎ登りでちょっと戸惑っているところです。
矯正治療には様々な考え方や方法が入り混じっており、最近ではその情報量が多すぎて若干混乱気味の状態です。
しかし絶対に押さえておかなくてはならない基本知識と言うものはほぼ不変であります。

そんな中、先日大阪大学を退職された矯正学の前教授の高田健治先生による講演を受講しにまいりました。
この1日がかりの研修、最初の午前中は矯正臨床の心構えや経営のことで、もう既に私は十二分以上にわかっている話でとてもつまらなく、正直この講演会の出席は失敗だったか、と後悔しておりました。
しかし午後の部に入ると一転して、矯正治療で押さえなくてはならない重要な原理原則の復習がオンパレードで説明されとても密度の濃い内容でした。

そもそも矯正にまつわる勉強会は多くありますが、本当に原理原則を詳しく教えてくれる機会は非常に少なく私もこの点についてはほとんど学生時代の講義と書籍で勉強しました。
この高田先生のご講演を聴講して、やたら何か以前に聞いたことがあることが多い、という印象を持ったのが、私がかつて矯正を始めようと思ったときに舐めるように読み漁った一冊の書籍があり、その書籍を日本語に訳されたのが高田先生だと言うのが、後日気づき改めて納得させられました。
 
| seiji0024 | 矯正治療 | 08:14 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
11月28日(土)休診と11月29日(日)振替診察のお知らせ
誠に勝手ながら研修のため11月28日(土)の診察を休診とさせていただきます。
週末しかお越しになれない方のために、特別に11月29日(日)に振り替えて診察を行います。
診察時間 8:30〜12:00 13:30〜17:00
まだ若干ですが予約に空きがありますので診察をご希望の方はあらかじめ電話でお問い合わせいただきますようよろしくお願いいたします。
| seiji0024 | 休診のお知らせ | 09:22 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
違和感がとても少なく手軽なマウスピース
私は開院するずっと前から顎関節症の方を多く診てきました。
顎関節症のうち、最も大きな原因となっているのが咬み合わせです。
この咬み合わせを補正するためにかぶせ物や矯正治療などを行うこともありますが、このような治療は高額な治療費と長い通院期間を要するため、多くの方が行える治療ではありません。
そこで多くは効果は一時的になることもありますが、理学療法や生活指導、マウスピースなどで対応いたします。
この内、世間一般的な顎関節症治療で圧倒的な頻度がマウスピースですが、私はなるべく使わないようにしています。

しかしどうしてもマウスピースを使わないとなかなか症状が改善されないこともあります。そのようなケースではいつもマウスピースの方法について悩まされていました。
当院では従来、顎機能検査の結果を組み込んだ非常に精度が高く、使い心地の優れたマウスピースを行っておりますが、これを製作するためには種々の顎機能検査と精巧な技工作業が必要になるため、やはり治療日数と治療費がかかってしまいます。

そんな状況の中、先日大阪府でご開業の西村育郎先生のマウスピースについての研修に参加いたしました。
西村先生は顎関節症をはじめとして歯の不調の多くは”食いしばり”が原因であると考えておられ、この食いしばりをいかに和らげるかの臨床を長年模索され続けております。
そして現在は通常夜用のマウスピースを、ひどい方は夜用マウスピース+昼用マウスピースを使われております。

実際にこの西村先生のマウスピースを装着してみたところ、非常に違和感が少なく今までに違和感が強くてマウスピースを挫折してしまった方でもかなりこれなら使える、という感触を抱きました。

もう少し自分なりに整理をして、このマウスピースを実際の臨床現場で使っていこうと思っております。
 
| seiji0024 | 顎関節症 | 10:42 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
オートマチックだけでは上手くいかない

林歯科診療所では年々矯正治療の割合が高くなってきております。
その矯正治療の中で成人の矯正治療に最も多く用いられる方法が歯1本ずつに直接器具を接着させるマルチブラケットと呼ばれているものです。

このマルチブラケットにはストレートワイヤー法と呼ばれるかなりオートマチックに歯を奇麗に並べてくれる方法と、歯の微妙な傾斜や角度に合わせて細かな調整が必要なスタンダード法の2種類があります。

現在の主流は圧倒的に簡便なストレートワイヤー法で、矯正治療の経験が乏しい歯科医師のみならず、エキスパートの歯科医師でも多く用いられております。

私もマルチブラケットを用いた矯正治療ではストレート法を主に使っております。

しかし全てのケースでオートマチックに上手くいくわけではありません。
そういった時にはストレートワイヤー法を使いながらも、マニュアル操作が一部必要になります。

最近、我々歯科医師向けに全くマニュアル操作が不要でも矯正が簡単にできると謳っている研修会を見かけますが、実際に数多くの臨床ではその通りにならないことが多いです。

よって矯正治療を始められる先生はある程度鍛練を積んでから患者さんに実際の矯正治療を提供していただきたいものです。

| seiji0024 | 矯正治療 | 08:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
一般的に人が入ってくる情報を採用する基準
現代はインターネット社会になって情報が氾濫する時代になりました。
最近では、PCだけでなくスマホからも簡単にインターネットから情報収集できるようになったため、我々日本人はこの20年間の短い間で、手に入れられる情報量が飛躍的に増えました。
この氾濫する情報、おそらくどなたも全て採用されるわけではありません。
以前にこの情報を適切に選択し、採用するスキルをリテラシーと紹介しましたが、なかなかこのリテラシーは成熟させるのが難しいスキルです。

「情報の選択をどうされていますか?」、と多くの方に質問するとおそらく大半の方は「正しい情報を採用し、誤った情報を無視する。」とお答えになるでしょう。
しかし何を持ってその情報を正しい・誤っていると判断するのでしょう。

そこには元来人間が持っている心理が大きく関わっていると思います。
その心理とは、

第一に、その情報が自分にとって都合のいいものなのか、そうでないものなのか?
自分にとって都合のいい情報であれば、だれしもついついそれが正しいと思った方が気分的に楽になるわけですから、このバイアスを排除することはなかなか難しいです。

第二に、その情報源はだれが発信しているかです、自分が信頼している人が発言する内容がいくら間違っていても人はその情報を信じます。逆に信頼していない人の発信する情報は、いくらそれが正しい事実であっても受け入れられることはありません。

この上記の2点、実は我々歯科の臨床現場では毎日、繰り返される出来事です。
いくら私が歯科医学的に正しい選択をし、それを説明しても、その内容が本人にとって都合の悪い情報で、私を信頼していない状況であれば、その私が提示した治療計画は全て却下されてしまいます。
当然これではまともな臨床を提供できるはずもないため、こういった状況に陥った場合、失礼かも知れませんが他の医療機関で再度相談されることをお勧めすることも稀にあります。

長い時間をかけてコミュニケーションを取り合えばこのようなギャップも解消されるのかも知れませんが、私にその時間的猶予は限りがあり、もう少しどうにかならないかと日々悩みながら臨床を送っているところです。
| seiji0024 | ひとりごと | 08:14 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
顎関節症は歯科?カイロプラクティック?整体?
開院以来、当院には大勢の顎関節症を主訴とされる方が来院されます。
その方たちから多く聞かれるのが、顎関節症は一体どこで診てもらえばいいのかわからない、とのことです。
患者目線から考えればごもっともなご意見だと私も思います。
元来、私はこの病気は歯科医師が中心で臨床を提供しなければならないものだと確信しております。
何故なら、咬み合わせが悪くて顎関節症を引き起こして来院される方が圧倒的に多いからです。
この咬み合わせをマネージメント出来るのは、唯一歯科医師だけです。
しかし実際には歯科業界全体を見渡すと多くの歯科医師がこの疾患に対してあまり熱心に勉強をしておりません。
そのため、せっかく患者さんが来院されても「そのままにしておけば勝手に治ります。」と言ったり、効果の期待できないマウスピースを入れるなどに留まり結果として患者さんから失望されてしまう傾向にあります。
その隙間を打って最近では歯科以上に過当競争になっているカイロプラクティックや整体院などが顎関節症に対応しますよ、とPRされるケースが非常に多くなりました。
何も私はこういった方々が顎関節臨床を行うことを反対しているわけではありません。歯科医師があまり熱心に取り組んでいない現状では、どこにかかっていいのかわからない難民患者さんは全国に数多くいらっしゃるはずで、その方たちの応急対応としてはご活躍いただけるものと思うからです。
ただし元々の原因となっている咬み合わせを診断・治療できるのは歯科医師以外だれにもできません。
だから原因からしっかり治療したり、リスクをマネージメントしていくのは歯科医師の責務だと思います。
予約が取りにくいからとか費用が安いからなどといった些細な理由で元来なら顎関節治療を行える歯科医師がきちんと診なければならないような方もカイロプラクティックや整体院に流れていってしまっている現状には複雑な思いでいっぱいです。
| seiji0024 | 顎関節症 | 10:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
11月5日(木)休診のお知らせ
11月6日(木)の診察を東京で毎月行われる矯正の勉強会出席のため休診させていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解・ご協力のほど、お願い申し上げます。
| seiji0024 | 休診のお知らせ | 19:35 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
双方の負担軽減につながる治療の高速化
林歯科診療所はスペースの関係から診察台が3台しか設置しておりません。
患者さんからはよくもっと診察台を増設して受け入れのキャパシティーを増やして予約が円滑に回るようにしてほしいとのご要望を頻繁にいただくのですが、いかんせんこの敷地・建物では今の3台が限界です。
新たに広い場所に移ることも検討したことがありますが、元来当院は人手とコストのかかる衛生管理の徹底や手ごろな保険外診療料金設定、度重なる研修によるスキルアップのため、売上に対しての支出がとても多い歯科医院で皆様が想像されているほど医院に内部留保が残らず、なかなか移転しての事業計画を立てづらい状況です。

そんな状況の中、治療の質を維持しながら効率を高めて処置をなるべく短い時間で済ますことは、医院にとっては一気に受け入れのキャパシティーが増すメリットがありますし、患者さんにとっても早く苦痛から解放されるというメリットがあります。
しかし治療時間の短縮と治療の質の担保となら当然、質の担保を優先すべきでありことは言うまでもありません。

当院はこんな状況がずっと続いているので、診療の効率化についてはずっと追い求めてきておりました。そんな最中、先日熊本県でご開業の東正也先生の医院までお邪魔して、高速診療の真髄について学んでまいりました。
そこで診療の効率化について、今まで自分自身も努力して改善していきましたが、もっとも参考になったのがスタッフとの連携でした。これは正直、私は今まで努力が足りないと思い知らされました。

自分自身の手を早くすることも大事かも知れませんが、チーム医療の中にあっては何より組織内のスキルと連携を高めることが、結果として患者さんにも医院にも利益をもたらすことが思い知らされた次第です。
 
| seiji0024 | 歯科全般 | 11:22 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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