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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
入ってきてほしい麻酔薬
一般的な歯科治療の中で最も強い痛みが生じる可能性がある処置が、おそらく歯の神経を取る時ではないかと思います。
特に元々激烈な痛みを伴う急性炎症の時には、特に局所麻酔が十分効かず、大変つらい思いをさせてしまうことも少なくありません。
通常、我々はリドカインという成分の麻酔薬を使います。この麻酔薬は古くから使われ比較的安全性も高いものですが、あまりに激烈な痛みがある時には効果が不十分に感じることがしばしあります。

しかしこういったケースはなにも日本だけでなく世界中で起きていることですが、特にヨーロッパなのでは強い痛みが予想される場合、リドカインではなくアーティカインという新しい麻酔薬を使われることが多いです。
このアーティカインという麻酔薬、もう既にヨーロッパでは日常臨床に広く使われており、安全性は確立されている薬です。
にも関わらず日本には一向に入ってくる兆しがありません。

おそらく日本では入れるために薬事承認の手続きを踏まなければならないのですが、そこに莫大な費用がかかってしまう仕組みがあります。そのために企業はビジネスとして成り立たないと判断して取り扱わないのではないでしょうか?

高コストな日本の薬事承認、昨今抗がん剤などでもいろいろと批判されていますが、我々歯科の領域でも困ったことが起きています。
こんな制度の理由で、歯の神経を取るのに麻酔が効かなくて痛くて辛い思いをするのって、嫌だとおもいませんか?
| seiji0024 | 歯科全般 | 08:02 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
流行っている床矯正の長所と短所
最近、非常に床矯正が流行っています。
当院でも患者さんから床矯正をリクエストされることが多々ありますが、あくまで数ある矯正治療法の一種にしか過ぎないわけで、その長所と短所をきちんと見極めたうえで行うべきだと思い、私は治療法を決めております。

床矯正の長所についてですが、一番大きな長所は取り外しができるので、歯みがきでしっかり手入れできるためとても衛生的なことです。固定式の装置だと、頻繁に虫歯になってしまうような虫歯のリスクの高い方にはまず行えないですが、この方法ならやれることが多いです。
もう一つ大きな長所は、歯科医師に高度な技術を要求しないところです。矯正初心者の歯科医師でもできるわけですがそのことは逆に欠点にもつながりやすいです。
咬み合わせを一時的に高くしたい場合は、床の部分に厚みをつければ非常にやりやすいです。
またこれだけで対応できる程度の軽いケースなら費用が安く抑えられるのも大きな長所です。

こんな床矯正ですが、欠点だってたくさんあります。
まず取り外せるということは、本人が正しく真面目に使わなければ効果が発揮できません。歯科医師が考えた通りに行かなくなることも、本人の使い方でしばし生じます。
難しい技術を使わないので、診断能力が浅い歯科医師でも安易に手を出してしまって、とんでもない結果を招いてしまうことも時折見受けられます。床矯正しかできない歯科医師は、床矯正のみで対処できる程度の軽いケースのみ手をつけるべきだと思います。
それからこの装置、クラスプという金具で歯に固定するのですが、この固定源の歯にどうしても無理な力がかかってしまいます。その固定源の歯が乳歯であるならば、いずれ抜けてしまう歯なので多少傷んでしまっても構いませんが、永久歯を固定源とする場合は非常にナーバスに扱わないといけなくなります。私はそれがすごく嫌なので、永久歯を固定源にせざる得ないケースではほとんど床矯正を採用しておりません。
歯の移動も一方向で直線的な動きしか与えられません。またその移動も歯が平行に移動するのではなく、極端な傾斜移動になってしまいます。(ちょっと特殊な床装置は違いますが、ほとんど普及していません)
また装置の厚みがかなりあるので、舌の動きを邪魔してしまって舌の働きによる自然な矯正力をスポイルしてしまう場合もあります。

この長所と短所をきちんと把握したうえで床矯正も治療計画を立てるべきだと思い、私はむやみやたらと床矯正だけでやらないように心がけております。
| seiji0024 | 矯正治療 | 08:46 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
顎関節症のホームページを全面改訂いたしました
林歯科診療所では開院以来、顎関節症の方を数多く診察してまいりました。
元々病院に勤務していた時から長年携わってきた治療ですが、当然病院勤務の時は自分で自費診療を思う存分できる環境ではないので全て保険診療で行ってきました。
開院してからもその習慣が自分からしばらく抜けなかったため、ホームページも古い内容のものでずっと掲載しておりました。
しかし自分自身、既に病院勤務の時代から顎関節症を保険診療だけで行う矛盾にぶち当たり、開業してからはより一層その気持ちが強くなり、「保険の枠さえ外れてくれればもっといい臨床が提供できるのに。」とずっと悩み続けておりました。

そしてついに今年になって顎関節症の治療は基本、保険診療を止めてしまおうと決心いたしました。
そこで最近では自費での顎関節治療で以前より思う存分いいと思ったことがやれるようになったため、とてもやりやすくなりました。
しかしホームページが古い記載のままだったので、顎関節治療も保険診療目当で来られる方もあって、その場で毎回そのことを訂正するために説明に時間がかかり、若干現場で混乱を生んでおりました。

そんな中、今回ようやく実態にあった内容でホームページを改訂いたしました。
顎関節症は政府の調査によると国民の2割が罹患している非常に頻度の高い病気です。にも関わらず保険診療が整備されていない状況が問題なのですが、医療費抑制政策の中では今後十分に保険診療で手当てされる見込みもほとんどないので仕方がありません。

今後はこれで行き違いもかなり解消出来るでしょうし、もっと治療に専念していきたいものです。
| seiji0024 | 顎関節症 | 09:07 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
強力なチーム作りの前に求められるリーダーの変革
当院は平成20年初頭に開院いたしましたが、開院当初は私のスキルにかなり依存した診療体系でした。
元々その当時は来院される患者さんの数が現在と比較してかなり少なかったのでそれで問題なかったのですが、その後は年々来院される方の数が増えていき、どうしてもチームとして円滑に機能しなければやっていけなくなっていきました。

それから私は強いチーム作りを試行錯誤、ずっと悩みながら行ってきました。
そのために多くの研修も受けたし本もたくさん読みました。
でもまだまだ努力は足りていません。ただ現在のスタッフが長く勤めてくれているという幸運に恵まれたことが一番大きかったです。
ですから私の努力と力で強いチームができているわけではないことが、常日頃からどこかモヤモヤとした思いがありました。

そんな中、チーム作りに関する研修の案内が届き早速、申し込んで福岡まで行ってまいりました。
講師の先生は佐賀県でご開業の成富健剛先生で、多くの内容を教えていただきました。
その中でも特に印象に残ったことが、チームを変えようと思ったらまずリーダー自ら変わらなければならない、ということでした。
このことは自分では頭では以前からわかっていることですが、なかなか踏ん切りがつかないところです。
しかしこのたびの研修でもそこはかなり重要視されており、改めて重い腰を上げていかねばと思わされましたと同時に、遠路福岡まで足を運んで良かったとかみしめております。
| seiji0024 | 医院管理 | 12:27 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
夏季休暇のお知らせ
林歯科診療所では例年、お盆期間中は日頃ご来院いただいている方々の利便性に配慮して、半稼働体制にて簡単な処置のみ受け入れておりましたが、毎年その当方の思いとは裏腹に全く新規の急患でとても半稼働では対応できない緊急性の無い大きな外科処置が必要とされるケースばかりが予約を埋めてしまい、日頃かかられている方の利便性のためにやっている意義を果たせない状況が続いたため、今年はお盆期間中の診察を休診とさせていただきます。
8月14日(木)〜17日(日)までが休診期間です。
休暇前の8月13日(水)まで既に予約はほぼ満席の状態ですが、診察をご希望の方は早めにお電話にて個別にお問い合わせください。
| seiji0024 | 診察時間変更 | 09:16 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
8月6日(水)・7日(木)診察時間変更のお知らせ
8月6日(水)の診察を、こどもみらい館(中京区)の歯科相談担当ため、下記の通り診察時間を変更いたします。
8:30〜13:00
代わりに8月7日(木)の診察を通常14時までのところ、19時まで延長して行います。
*受付終了は従来通り最終診療時間30分前までとさせていただきます。
9月10日(水)の歯科相談も私が担当しておりますので、ご希望の方はこどもみらい館に直接お問い合わせください。
 
| seiji0024 | 診察時間変更 | 08:21 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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