数年前よりレーザー光線や赤色LEDととある色素を組み合わせて治療を行う、PDT(光線力学療法)が医療分野で実用化されつつあります。
この光線力学療法、特に獣医の間では急速に普及している一方、医科や歯科ではごく一部でしか広まっていません。
一番大きな理由として、薬事承認と保険診療報酬収載の問題があるかと思います。
逆に獣医では政府の制度や規制にあまりとらわれることなく、自由に取り入れやすい状況です。
そんな中、最近では歯科の分野でも徐々に広まり、特に歯周病治療での応用が注目を浴びています。
ここで問題になるのがこの色素です。現状ではこの色素の入手は2種類あります。
一つは歯科治療用に調整された色素を海外から個人輸入の形式で購入する方法。
この方法だと非常に使いやすくパッケージングされた状態で手間いらずで簡単です。
その一方、1回当たりのコストが非常に高くなってしまいます。
もう一つの方法として、純度の高い色素の原材料を通常の薬品として仕入、自分で使えるように調合する方法。
この方法は自分で薬品を取り扱わないといけないので、計量などの作業があり面倒です。しかし私はかつて研究生活を長く行ってきたこともあり、かなり薬品の取り扱いには慣れているため、自分にとってはさほど手間のかかる作業ではありません。
そしてとにかくこの方法の場合、1回当たりのコストが非常に安く上がります。
というわけで現在、当院ではこのPDTの導入を徐々にしていこうとしているところです。
ただ我々歯科はかなり規制が厳しいので、その制度は侵さない程度で行っていこうと考えております。