骨粗しょう症のお薬にご用心
2011.07.11 Monday
京都・下京区の林歯科診療所では横向きに埋まっている親知らずの抜歯などの小規模な口腔外科処置はほとんど自院で行っております。
しかし最近、とても大きな問題が生じてまいりました。 それは骨粗しょう症の薬を飲んでいらっしゃる方の多くが、抜歯などの口腔外科処置に対して相当、制限が生じてきていることです。 ビスフォストネート製剤という種類の薬で、これを長期服用している方の抜歯を行うと場合によって、歯が植わっていた顎の骨が腐っている現象がおこるリスクが非常に高くなります。 日本医師会・日本薬剤師会から各医療機関・調剤薬局に対して、この骨粗しょう症によく使われるビスフォスフォネート製剤を患者さんに注意喚起するように文書で通知があったはずなのですが、実際の臨床現場ではきちんと指導・注意されていないことが多く、我々歯科医師にとっては現在とても深刻な問題になってしまっています。 実際私もビスフォスフォネート製剤を飲まれているとは全く気づかず、抜歯してしまったことがあります。 その時は偶然、顎の骨が腐らずに済みましたが、確認ができずに処置を行うことは決してほめられることではございません。 というわけで、ビスフォスフォネート製剤の処方・調剤時に患者さんへの情報提供が出来ていないケースも見受けられますので、各医療機関・調剤薬局にはさらなる注意喚起をお願いしたいし、患者さんご自身もこういった情報をご自身で仕入れることによって自己防衛をしていただきたく思います。 |