京都・下京区・七条七本松の歯科
林歯科診療所では開院以来、
インプラント治療を行っております。
このインプラント治療を行っている歯医者さんに行かれて、インプラントを無理に勧められて不快な思いをされた方もいらっしゃるかと思います。
当院の場合、手前味噌で申し訳ございませんが、このインプラント治療を医院経営の柱には一切しておりません。そのため患者様に無理に勧めたことは一度もございません。
しかし、あまりに説明をしなさすぎていたので、最近入れ歯を入れた患者様から「本当は入れ歯じゃなくてインプラントをして欲しかったのに、あまりインプラントの話をしてくれなかったので言い出せなかった。」との、大変恥ずかしいお叱りを受け、最近は少し触れるように心がけております。
そんな中、最近インプラントにまつわるトラブル、さらにこじれると訴訟に発展するケースが非常に増えてきています。
こんなことがたくさん起きる背景には以下のようなことが考えられます。
1.インプラントを行う歯科の急増
かつてインプラントを行う歯科医師は、どちらかというと外科手術のキャリアを多く持ち、基本的な外科処置のスキルを持っている人たちに限定されていました。
しかし近年、親知らずの抜歯も十分に出来ない未熟な外科技術で、場合によっては高度な技術を要する骨を増やすインプラント治療などを平気で行う歯科医師が増えました。
2.インプラントに経営依存した体質
歯科医院の乱立などで一般的には多くの歯科医院が患者数の減少で、一般的な治療だけでは経営が成り立たないところも生じてきています。そのため単価の非常に高いインプラントを多く行い、患者減少分をカバーしようとする経営体質の歯科医院は、元来リスクの高いケースでも無理にインプラントを行ってしまう傾向にあります。
3.歯科医師の外科技術レベルの低下
前述と内容がかぶりますが、古い歯医者さんは皆、親知らずの抜歯が出来て一人前として開業する人が多かったのですが、既に私の世代では親知らずを抜けない歯科医師が非常に多くいます。
この程度の外科スキルでは、インプラント手術を行い術中になにかトラブルが起きた際、まず適切な対応は出来ないでしょう。
最近はCT検査などで事前にトラブルを予測し外科スキルの欠如をカバーする方法が流行っていますが、その分患者様に多額の治療費がかかりますし、CTでも予測困難なことも多数あり、これだけではとても不十分だと思います。
3.インプラントについて基礎的知識の欠如
インプラントが大好きな歯科医師の傾向として、臨床テクニックを追い求めるばかりで基礎医学を軽視する傾向にあります。しかし組織学的・発生学的にみるとインプラントは「歯と似て非なるもの」です。トラブルが起きる経過も歯とインプラントでは異なります。こういった点については、基礎医学の裏づけを持たない歯科医師では理解が出来ず、治療後の対応に不備が生じる可能性があります。
ここ数年で、全国的にインプラントが新たに植えられたケースが非常に多いと思われます。
今後、眠っているインプラントのトラブルが徐々に出てくるものと予想されるので、わたしも動向を注意深く見ていきたいと思います。