むし歯を削るのに麻酔をしない訳
2009.09.28 Monday
京都・下京・丹波口の林歯科診療所では、なるべく痛みの出ない麻酔を行っております。
その一方、むし歯を削る際、極力麻酔を行わずに行っております。 決して麻酔をするのが面倒だからとか、麻酔薬がもったいないから行わないのではありません。 麻酔が効いて、歯の感覚が治療中に無くなってしまうことが、歯の将来に悪い影響を与えかねないからです。 歯にはエナメル質と呼ばれる感覚の全く無い非常に硬い層に覆われておりますが、その内部には象牙質と呼ばれる感覚のあるあまり硬くない層が存在します。 この象牙質には目で見えないくらいの細い管が無数に存在し、刺激を歯の神経まで伝えています。 ところがこの象牙質はむし歯に侵されると、自己防衛のためにこの細い管を自身で塞ぎます。 よってこのむし歯の部分を削ってもその直下は自然に塞がれた管が存在するため、刺激や異物の侵入を阻止してくれる層があります。 しかし麻酔をして歯を削ると、削られた反応を見ての治療が出来ないため、この貴重な層を削り落としてしまいます。 すると開いたままの管を露出させてしまうこととなり、むし歯を治療したのにすごく滲みてきたり、ちょっとした異物の侵入によって簡単にむし歯になってしまうことになります。 そのため現在全国ほとんどの歯科大学では、むし歯を削るに際してなるべく麻酔をしないよう学生や研修医に指導しています。 当院では以上のことよりむし歯を削る際、なるべく麻酔を使わないようにしております。しかしどうしても削られる感触を耐えることの出来ない方は、デメリットをご理解のうえで、麻酔の注射をさせていただきますので、遠慮なくお申し出ください。 |