ストレスと歯周病
2009.06.28 Sunday
本日、新宿区でご開業の小西昭彦先生と新潟大学教授で世界的に免疫学で著明な安保徹先生による歯周病とストレス・免疫論についてのセミナーを受講してきました。
小西先生は故片山恒夫先生のお弟子さんで、片山先生が提唱されたオーラルフィジオセラピー(自然良能賦活療法)による歯周病治療を長年実践され、さらにご自身で進化されています。このオーラルフィジオセラピーによる歯周病治療は「細菌のコントロール」、「(噛み合わせの)力のコントロール」、「宿主(生体)のコントロール」の3つの柱から成り立ちます。 「細菌のコントロール」については長時間ブラッシングと専用の歯ブラシの処方による、徹底的なブラッシングによる歯周病対策です。 今回、時間の関係上「力のコントロール」については触れられませんでしたが、 「生体のコントロール」について、ストレスと免疫が大きく歯周病に関わっていくことが触れられました。 このストレスと免疫に関する研究の第一人者が安保先生で、安保先生によるストレス、特に自律神経と免疫との深い関係について斬新な説明がありました。 その中で、歯周病でも癌でもその病気になったことは、何らかの環境に対する生体のごく自然な反応によるものであるとのお話がありました。 京都・下京区・丹波口駅の林歯科診療所においても、科学的なデータに基づいた歯周病治療を行っておりますが、つい我々は患者様の現症にとらわれてしまい、やもすると対処療法的になってしまうことも少なくありません。しかし、本当に病気を治していくにはその病気になった原因の生活環境を変えていかないといけないことを、理論的に学ぶことができました。 私自身、大学で神経科学を研究していたにも関わらず、自分の知識が豊富な自律神経系のメカニズムについて日々の臨床で生かされていなかった点も、大いに反省しております。 |