私はクラシック音楽鑑賞を趣味の一つにしています。子供のことピアノを習っていて音楽に長く接した環境も影響しているかもしれません。
そんなピアノ曲のなかで皆さま、ピンといの一番に頭に浮かぶ作曲家と言えばやはりショパンではないでしょうか?
彼は主にフランスで活動していましたが、生涯祖国ポーランドをこよなく愛し、ロシア占領下での圧政に激しい怒りを時折楽曲にぶつけていました。
幻想即興曲、英雄ポロネーズ、革命のエチュード、別れの曲のエチュード、華麗なる大円舞曲、ノクターン2番・・・などなど有名な曲を挙げればきりがありません。
そんな中で私がこよなく愛しているショパンの曲はマニアの間では通称”バラ1”、バラード1番です。
皆さま、バラードというとポピュラー音楽のゆったりと美しい旋律を想像されると思いますが、ショパンのバラードはそのイメージとは程遠く、ショパンのピアノ曲の中では全4曲とも大作で非常に激しい旋律です。
通の方にとっての最高峰は”バラ4”バラード4番らしいのですが、約12分もあるのでちょっと退屈なのと、スコアを見ているだけでもあまりにも複雑すぎてちょっとわたしは消化不良を起こしてしまいます。
この”バラ1”、数多くの録音がございますがやはりどのピアニストにとっても思い入れの深い曲なのでしょうか?非常に名演揃いです。
このなかで私が図抜けてお勧めするのが3つ、ございます。
最初はやはり大御所、ポーランド出身のアルトゥール・ルービンシュタインです。もう亡くなられていますが、この録音当時でも70歳を超えているにも関わらず、とても力強い演奏です。ショパンとはこうやって弾くんだよ、といった先生のような録音でクラシックに不慣れの方にはお勧めです。
2つ目もポーランド出身のクリスティアン・ツィマーマンの録音です。とにかくこんな美しいショパンのバラードは他にございません。本当に抽象的で申し訳ないのですが、とにかく美しい。技術的には申し分なく、こんな難曲でも演奏にゆとりを感じさせられます。
3つ目はロシア出身のエフゲニー・キーシンです。彼は神童として子供のころから世界で活躍しており日本にもなじみの深い演奏家なのでご存知の方も多いかと思います。彼らしく真面目でストレートな演奏です。やはりツィマーマンと同じく技術的に破綻するところは一切ない半面、ツィマーマンとは対照的に非常に太くてパワフルな演奏です。
1年の大半は歯科のことから頭が離れない私も、少ないプライベートな時間はいつもこんなことを頭の中でうんちくたれながら過ごしております。