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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
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病院歯科医師としての使命

先日、とあるインプラント治療の研修会に参加しました。その際、たまたま私の近くにとある公立病院の歯科口腔外科に勤務している方も出席されていました。
すると休憩時間にその方は思ってられることを口にし始め、その中に「今まで病院で引き受けている障害者の歯科治療なんかやりたくない   障害者治療は減らして自分はインプラントをやりたいんだ。」と話し始めました。

私も黙っていればいいものの、あまりに頭にきたのでつい言い返してしまいました。「**市民の多くにとって別に先生がインプラントをされなくても困ることは何もないのでは。でも**市もしくは近隣の町におられる障害者の方々にとって先生が障害者治療をお辞めになられたらどれだけ困るのでしょう?車で1時間・2時間かけて別の診てもらえるところに通わないといけなくなりませんか?先生がおっしゃってることは**市や**病院の総意なのでしょうか?インプラントに必要な設備は市から出してもらうのですか?もしそれらの意向と異なり先生ご自身の判断で障害者診療を止めてインプラントをされるのでしたら、最初からインプラントをたくさん行っている医療機関にお勤めになるなり、ご自身で開業されたらいいのでは?」と言ってしまいました。

私は病院歯科にもおりましたし、歯科医療・保健行政にも携わってまいりました。その中で感じたことは、それぞれ社会的に与えられた使命があるということです。
公立病院の使命は地域住民・地域医療のために何をすべきかを最優先にされるべきで、地元のニーズで障害者医療があるわけですから、その点は真剣にやっていただきたいです。
病院歯科の歯科医師の中にも一部には、そういった社会的使命を心得ている方もおられますが、残念なことに大多数の病院歯科医のマインドは全く違います。

以前より、病院歯科に在籍している歯科医師のモラルの話を時折しておりましたが、今回もその一端がにじみ出た格好です。

本当に病院歯科の先生にはしっかりしてほしいです。我々町医者にはできない大きな外科手術はもちろんのこと、全身リスクの高い方の歯科治療、障害者治療における鎮静や全身麻酔の積極導入、耳鼻科や内科など他科との連携が必要な症例、がん患者さんなどの周術期口腔管理、などなど言い出せばきりのないくらい多くの重責があります。

インプラントを大病院でやるメリットは全くありません。材料や設備の導入で小回りが利かない分、開業医でやるほうがはるかにやりやすいです。これは両方を経験した私だから言えることです。こんなインプラントごときの小さなことに浮かれていないで、地域社会はもっと重要なことであなたたち病院歯科医を必要としています。是非、そのことを意気に感じて真剣に取り組める方に病院歯科医として活躍していただきたいものです。

| seiji0024 | 口腔外科 | 07:52 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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