3MIX-MP療法の失敗
2010.05.29 Saturday
京都・下京区・丹波口駅・七条の林歯科診療所では時折、以前どこか別の歯医者さんで3MIX-MP療法によるむし歯治療を受けたけれど、治るどころかどんどんひどくなっていく、とのことで来院される方が数名いらっしゃいました。
この3MIX-MP療法、確かに良く出来た治療法だとうなずける点も無くはありません。 しかし実際の臨床現場でこの治療法を行ってうまくいくケースはかなり限られてくるのではないのでしょうか? この治療法はわざとむし歯を残し、3種の抗生物質を混ぜたものにとろみをつけて残したむし歯の箇所にのせて数ヶ月作用させると、むし歯だった箇所が無菌化されもともとの硬い歯に戻るといった治療法です。 しかしこの治療を成功させるには、この薬剤を数ヶ月間作用させるため、そうとう高い精度で密閉できなければいけません。 その一方、大人のむし歯がよくできる箇所は、歯と歯と歯ぐきとの間です。このエリアのむし歯に3MIX-MPの薬剤をのせて、上から接着材料で確実に密閉することは非常に難しいです。 実際、3MIX-MP療法の失敗で当院に来院されたケースの全てでこの接着材料できちんと密閉できないケースで、最初から適応ではなかったと思います。 そんなことで、このように非常に適応が限られる3MIX-MP療法のかわりに当院では、Doc's Best Cementというアメリカで正式に認可を受けている材料を用いて歯髄保存療法を行っています。 この治療法、効き目は若干3MIX-MPに劣りますが、この材料自体にある程度の接着性と強度があるので、一番難しい密閉についてほとんど気を遣いませんので、非常に適応が広いです。 詳しくは当院の歯髄保存療法のページをご参照ください。 |