歯科医院の立地条件
2010.06.28 Monday
京都・下京の歯科 林歯科診療所は下京区西部、京都卸売中央市場のすぐ近く、七条七本松交差点を北に上がった七本松通沿いに立地しています。
元々先代が歯科医院を行っていた建物を改装して現在の姿になっておりますが、この地域も他の街中と同様に歯科医院乱立地帯で、コンビニの数倍多くの歯科医院があります。 その中でおそらく当院の立地は最悪の部類で、よほど注意深く見ていないと気づかずに通り過ぎてしまいます。 そんな中開業1年目は、この立地条件とスタッフに恵まれなかったことが相まって、自分で自身を持っていた勤務医時代の実績が崩れ去るくらい苦しみました。 しかしその後、現在のスタッフに恵まれ、根気よく自分の信念を貫き努力を続けた結果、現在では多くの患者様にご来院いただける歯科医院になりました。 というわけで、今となっては当初すごく不利だと考えていた立地の悪さはあまり関係のない問題になりました。最近では、この悪い立地だからこそ身内の土地・建物で家賃のかからない運営ができるので、その浮いた分を新規の設備投資や感染予防対策に回し、ご来院いただいた患者様にその恩恵を反映するようにしております。 一方、私とは反対で超一等地で多額のテナント料を支払っている歯科医院がどうやって経営できているのか不思議でなりません。こういったテナント開業の多くが平日のみで夕方までの短い診察時間なので、診察できる人数も当院で見ている数より圧倒的に少ないはずです。さらに保険診療だと一診療当たりの単価を大幅に増やすことなど絶対に無理ですし、相当料金を高く設定した保険外治療を強引に勧めるしか方法が無いと思います。 しかしこのような景気情勢の中、高額な保険外治療の需要が急激に伸びるとは考えにくく、そうなると苦し紛れに、格安の料金で粗悪な技工物を収める技工所との取引や、コストのかかる感染予防対策の不備などで経費を圧縮することとなり、保険外治療による高度な医療レベルを謳っていながら、結局医療の質を落とす結果となります。 ついつい患者様は一等地テナントで高級な内装の歯科医院に目を奪われがちですが、背景にこのような事情も生じる場合があることも念頭に入れられて、歯科医院を受診されると少し違った印象を持つことが出来るかと思います。 |