日本の歯科技工事情
2009.11.24 Tuesday
京都・下京・丹波口の歯科・歯医者 林歯科診療所は予防に重点を置きながらも、一般的なむし歯や入れ歯の治療も行っております。
その多くの場合、歯を削ったり抜いたりする治療が伴います。その後、当然削った分、抜歯した分を補うために詰め物・かぶせ物・入れ歯といった技工物が必要になります。 しかしこの技工物があと10年すれば日本中で大変な問題を引き起こすものと予想されます。 それはこの技工物を製作する歯科技工士の数が年々減り続けていることです。 現在の歯科技工士を取り巻く就業状態ですが、非常に長時間の勤務を強いられる割に給料があまりよくない劣悪な労働状態が多いため、全国の歯科技工士を養成する専門学校の入学定員割れや歯科技工士になってから離職してしまうケースが跡を断ちません。 今の日本の歯科技工を支えているのは主に40〜50歳代の歯科技工士です。しかしあと10年もすればこのうちかなりの方がリタイヤされるわけで、10年後の歯科技工士不足は目に見えて明らかです。 こんな現状になってしまったのも、国が歯科の診療報酬をずっと下げ続けてそのしわ寄せが弱い立場の歯科技工士の方々に行ってしまったことに尽きます。 完全に日本の歯科技工をつぶしてしまってからではもう取り返しがつきません。しかも日本の歯科技工レベルは世界から非常に高い評価を受けており、これは国民全体の財産だと思います。 私も仮に歯科技工士というパートナーを失えば、現在行っている歯科医療レベルを維持していくことは不可能になり、質の低下に繋がってしまいます。 だからといって厳しい財政状況の中、私もむやみやたらに診療報酬を増やしてくださいとは思っておりません。ただこの歯科技工士さんたちの処遇がもう少し改善され、永続的に歯科技工が国内で維持できる最低限は診療報酬を引き上げていただきたいと強く願います。 それと京都府歯科医師会でも会立の歯科技工士を養成する専門学校、京都歯科医療技術専門学校の中に歯科技工士科がございます。この調子だと10年後には歯科技工士という仕事は引く手あまたになることが予想されます。ですから今の潮流に流されず、将来を見据えて多くの学生さんに入学いただきたく思います。 |