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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
原因療法をベースにした咬合臨床

私は偶然、病院勤務時代に好むと好まざると多くの顎関節症患者さんを担当することとなり、そこで非常に多くの経験を積むことができました。
今から思い返すと当時の私の臨床はとても稚拙でしたが、病院という大きな看板に救われて何とかしのいできたという、情けない過去があります。
しかしその間に、自分なりに一生懸命勉強しましたし、とても多くのケースを担当したおかげで私の顎関節症に関するスキルは飛躍的に高まりその結果、開業時から顎関節症治療を十分に行うことができました。
しかしそれらは全て西洋医学からくる対処療法の繰り返しで、長い目で見れば今となってはほめられた臨床ではありませんでした。

その後、研鑽を重ね対処療法ではなく原因療法にまで踏み込んだ顎関節症臨床を行えるようになり現在の体制ができてきましたが、咬合と全身との関係についてはまだもう一つ理解が足りませんでした。

このような状況の中、咬合と全身の関係について長年専門的な臨床をされて多くの歯科医師にそのノウハウを教育されたご経験をお持ちの東京都でご開業の笠茂享久先生による研修に先日参加したところですが、この度はその実践編でさらに臨床に即した内容でみっちり2日間、笠茂先生の診察室まで伺って学んできました。

今後、当院の顎関節症を含めた咬合臨床に今回学んだことも少しずつ取り入れていこうと思っております。

| seiji0024 | 顎関節症 | 08:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
違和感がとても少なく手軽なマウスピース
私は開院するずっと前から顎関節症の方を多く診てきました。
顎関節症のうち、最も大きな原因となっているのが咬み合わせです。
この咬み合わせを補正するためにかぶせ物や矯正治療などを行うこともありますが、このような治療は高額な治療費と長い通院期間を要するため、多くの方が行える治療ではありません。
そこで多くは効果は一時的になることもありますが、理学療法や生活指導、マウスピースなどで対応いたします。
この内、世間一般的な顎関節症治療で圧倒的な頻度がマウスピースですが、私はなるべく使わないようにしています。

しかしどうしてもマウスピースを使わないとなかなか症状が改善されないこともあります。そのようなケースではいつもマウスピースの方法について悩まされていました。
当院では従来、顎機能検査の結果を組み込んだ非常に精度が高く、使い心地の優れたマウスピースを行っておりますが、これを製作するためには種々の顎機能検査と精巧な技工作業が必要になるため、やはり治療日数と治療費がかかってしまいます。

そんな状況の中、先日大阪府でご開業の西村育郎先生のマウスピースについての研修に参加いたしました。
西村先生は顎関節症をはじめとして歯の不調の多くは”食いしばり”が原因であると考えておられ、この食いしばりをいかに和らげるかの臨床を長年模索され続けております。
そして現在は通常夜用のマウスピースを、ひどい方は夜用マウスピース+昼用マウスピースを使われております。

実際にこの西村先生のマウスピースを装着してみたところ、非常に違和感が少なく今までに違和感が強くてマウスピースを挫折してしまった方でもかなりこれなら使える、という感触を抱きました。

もう少し自分なりに整理をして、このマウスピースを実際の臨床現場で使っていこうと思っております。
 
| seiji0024 | 顎関節症 | 10:42 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
顎関節症は歯科?カイロプラクティック?整体?
開院以来、当院には大勢の顎関節症を主訴とされる方が来院されます。
その方たちから多く聞かれるのが、顎関節症は一体どこで診てもらえばいいのかわからない、とのことです。
患者目線から考えればごもっともなご意見だと私も思います。
元来、私はこの病気は歯科医師が中心で臨床を提供しなければならないものだと確信しております。
何故なら、咬み合わせが悪くて顎関節症を引き起こして来院される方が圧倒的に多いからです。
この咬み合わせをマネージメント出来るのは、唯一歯科医師だけです。
しかし実際には歯科業界全体を見渡すと多くの歯科医師がこの疾患に対してあまり熱心に勉強をしておりません。
そのため、せっかく患者さんが来院されても「そのままにしておけば勝手に治ります。」と言ったり、効果の期待できないマウスピースを入れるなどに留まり結果として患者さんから失望されてしまう傾向にあります。
その隙間を打って最近では歯科以上に過当競争になっているカイロプラクティックや整体院などが顎関節症に対応しますよ、とPRされるケースが非常に多くなりました。
何も私はこういった方々が顎関節臨床を行うことを反対しているわけではありません。歯科医師があまり熱心に取り組んでいない現状では、どこにかかっていいのかわからない難民患者さんは全国に数多くいらっしゃるはずで、その方たちの応急対応としてはご活躍いただけるものと思うからです。
ただし元々の原因となっている咬み合わせを診断・治療できるのは歯科医師以外だれにもできません。
だから原因からしっかり治療したり、リスクをマネージメントしていくのは歯科医師の責務だと思います。
予約が取りにくいからとか費用が安いからなどといった些細な理由で元来なら顎関節治療を行える歯科医師がきちんと診なければならないような方もカイロプラクティックや整体院に流れていってしまっている現状には複雑な思いでいっぱいです。
| seiji0024 | 顎関節症 | 10:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
歯牙接触癖、TCHのオリジナルに学ぶ
林歯科診療所では開業以来、多くの顎関節症を取り扱ってきました。
ずっと保険診療をメインに行っていたのですが、本当にやりたい治療法が保険で取り扱われておらず、作りたくもないマウスピースを使った臨床を軸に、必要に応じて医院の持ち出しで必要な治療を行っておりましたが、あまりにも医院側の犠牲が大きく継続が困難になったため、現在では自費診療をメインに行うようになりました。

これだけ多くの顎関節症患者さんの治療に当たると嫌でもその傾向が身に染みてわかるようになります。その中の非常に多くの方々にとても強い噛みしめ・食いしばりを認めます。
この現象はなかなか制御が難しく私自身、とても頭を悩ませていた問題です。

そんな中、NHKテレビ番組「ためしてガッテン」にも以前、出演されたことがある東京医科歯科大学歯学部顎関節治療部の木野孔司先生による、歯牙接触癖(TCH)について、京都府歯科医師会の学術講演会の講師としてお招きいたしました。

このTCHという言葉を作られ世間に広められただけのことはあって、木野先生ご自身の顎関節症臨床の苦悩から現在に至るまでわかりやすく解説をいただきました。
木野先生も私と同じく顎関節治療において保険診療を捨てられ、現在は自費診療のみで行っておられとても共感できる部分が多数ありました。

なかなか制御の難しいTCH、この度のお教えを少しでも役立てていきたいと考えております。
| seiji0024 | 顎関節症 | 09:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
咬み合わせを勉強すると足まで行き着きます
私の得意な治療の中に、顎関節症や咬み合わせ治療があります。
これについては今までそれなりに勉強してきましたが、咬み合わせの世界は本当に泥沼のようで、どれだけ多くのことを学んでも全てを網羅できないくらいとても奥深いものです。

そうこうしている中で、咬み合わせ治療はどうも歯だけを診ていたのでは上手くいかないことに気づかされました。
身体の姿勢にも大きく関与しており、それらを調和させないと長期に安定した咬み合わせを維持することが難しいことも痛いほど経験しました。

そんな中、福岡県でご開業されている医師の今井一彰先生の医院でフットケアセンターを担当されている理学療法士の湯浅慶朗先生による”足”の研修コースに申し込み、早速先日はその第一回目に参加してまいりました。

そもそも身体のどこかがずれるとそれを補正しようとして、全身のいたるところでバランスをとって人の体は帳尻を合わせようとします。
しかしそのことによって、ずれている場所以外のところで不具合が出たりするのです。

私は多くの咬み合わせ治療を行ってきた上で、湯浅先生が提示されたケースを診るたびに、自分が経験した光景が目に浮かび非常に納得しながら拝聴してきました。

しかし実際の臨床を行う上で、どこか一ヶ所だけ治せば全身全てが健康になるのかと言えば、そういったケースもあるかもしれませんが、やはり複数の個所を改善していけるだけの体制は必要です。

そのためには自分自身の知識・技術を高めるだけでなく、共通の認識を持った他の分野の医療プロフェッショナルとのチームワークがとても大切だと思います。

この一連の研修で得られた知識をしっかりものにして、自分なりにきちんとしたレベルの臨床が提供できる体制になった時点で、皆さまにもお披露目させていただきたく思います。
| seiji0024 | 顎関節症 | 17:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
やっと陽の目を見るようになった温熱療法
林歯科診療所では電磁波のうちの一種である超短波を発生させて深部の筋肉や臓器に対して温熱療法を行う治療器を以前から導入しておりました。
しかしこの機械、自分に対しては時々使っていましたが、患者さんに対しては購入してからはほとんど使うことがありませんでした。
そもそもこの超短波治療器、歯科の分野で最も役立つのが顎関節症の治療ですが、この温熱療法に対して保険診療での診療報酬がついていません。その割に効果が出るまで少し長い時間当ててなければならないため、ボランティアで行うには余りにも医院側の負担が大きすぎて結局いいのはわかっていながら使えない状況が続いておりました。

しかし先日来紹介させていただいているように、この平成26年7月から当院では顎関節症の治療は基本的には自費診療で行うようになりました。
自費診療ですから、今まで保険制度で完全に手足を縛られてしまっていた制約も完全になくなって自分の持てる全てを思う存分発揮できるようになり、今までと比較にならない質の高い臨床が提供できるようになりました。
その中にこの超短波治療器も含まれており、早速当院では活躍しています。
自費診療とは言っても当院ではそんなに高額な治療費をいただいておりません。初診時にこの機械も使ったとしても他の処置と合わせてトータルでおおよそ6千円程度の治療費ですので、比較的気軽に受けていただけるのではないでしょうか?

今まで保険診療という狭い枠にとらわれて、より良い臨床を提供しようという医療の原点を見失っていた自分が恥ずかしいと思うとともに、その反省を今後の顎関節症臨床に生かしていきたいと思っております。
 
| seiji0024 | 顎関節症 | 18:51 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
顎関節症のホームページを全面改訂いたしました
林歯科診療所では開院以来、顎関節症の方を数多く診察してまいりました。
元々病院に勤務していた時から長年携わってきた治療ですが、当然病院勤務の時は自分で自費診療を思う存分できる環境ではないので全て保険診療で行ってきました。
開院してからもその習慣が自分からしばらく抜けなかったため、ホームページも古い内容のものでずっと掲載しておりました。
しかし自分自身、既に病院勤務の時代から顎関節症を保険診療だけで行う矛盾にぶち当たり、開業してからはより一層その気持ちが強くなり、「保険の枠さえ外れてくれればもっといい臨床が提供できるのに。」とずっと悩み続けておりました。

そしてついに今年になって顎関節症の治療は基本、保険診療を止めてしまおうと決心いたしました。
そこで最近では自費での顎関節治療で以前より思う存分いいと思ったことがやれるようになったため、とてもやりやすくなりました。
しかしホームページが古い記載のままだったので、顎関節治療も保険診療目当で来られる方もあって、その場で毎回そのことを訂正するために説明に時間がかかり、若干現場で混乱を生んでおりました。

そんな中、今回ようやく実態にあった内容でホームページを改訂いたしました。
顎関節症は政府の調査によると国民の2割が罹患している非常に頻度の高い病気です。にも関わらず保険診療が整備されていない状況が問題なのですが、医療費抑制政策の中では今後十分に保険診療で手当てされる見込みもほとんどないので仕方がありません。

今後はこれで行き違いもかなり解消出来るでしょうし、もっと治療に専念していきたいものです。
| seiji0024 | 顎関節症 | 09:07 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
精密な咬み合わせ治療に必須の筋電計
林歯科診療所では多くの顎関節治療を行っております。
この顎関節治療ですがこの7月より全ての患者さんに公平になるよう、保険収載されていない非常に効果的な顎関節治療をボランティアで行ってきたものを、内容に見合うよう自費診療で行うように致しました。
おかげで今まで保険の枠に縛られて出来なかったような指導や施術も思う存分できるようになりましたが、中には顎機能検査を行ったうえで非常に高度な咬み合わせ治療を行わないと改善できないケースもあります。
その中で必要な検査として筋肉の活動性を測る検査があります。そもそも咬み合わせや筋肉のバランスがとれていれば滅多に顎関節症にはなりません。これらに不調和があるから顎関節症になるわけで、この根本的な原因の筋肉を調べることはとても重要です。
この筋肉の活動性を計測する機器として筋電計という計測機器があります。この筋電計による検査ですが、我々が必要としているのは筋肉のバランスなので、同時に複数の筋肉を計測できなければ意味がありません。
そのため、顎機能検査で要求される筋電計はどうしても大がかりな機器になってしまいなかなか導入には踏み切れないところですが、どうしても私の臨床には必要なため思い切って導入しています。
実際に計測してみると、顎機能に異常のある方は見事に筋肉のバランスが取れていないのがわかりますし、治療によってどの程度改善しているかの評価もわかりやすくなります。
咬み合わせや顎関節でお困りの方にも当院にはこのような強力なツールがありますので、遠慮なくご相談ください。
| seiji0024 | 顎関節症 | 08:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
顎関節症・咬み合わせ治療の体系を一新しました
当院では顎関節治療を行っておりますが、根本的治療を行うために顎機能検査をようやく重い腰を上げて導入いたしました。
実は自分自身、かみ合わせの勉強は手前味噌ですが相当やってきたつもりです。
しかしどれも今一つ、納得できるものがなく導入するのに非常に高額なコストがかかるため、顎機能検査はずっと躊躇し続けてきました。

そんな折、4か月もの間、熊本でご開業の 先生のところでかみ合わせに関する勉強を一からさせていただきました。
そこで学んだ理論やシステムは私自身、初めて納得できる体系でした。
そこでやっと私も重い腰を上げて顎機能検査の導入に踏み切った次第です。

いままで他の顎機能検査についても理論から実践まで学んできましたが、結局臨床では使うことにならなくなってしまいましたが、その勉強も決して無駄ではありません。
今までの紆余曲折があるがために、山下先生に学んだ理論もすんなり理解し、自分なりにすぐに解釈することができました。

このシステム、さっそくこの7月から稼働させており、自分では今までにない手ごたえを早速感じているところです。

 
| seiji0024 | 顎関節症 | 17:14 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
顎関節症の治療体系を7月から刷新します
林歯科診療所には顎関節症や咬み合わせの不調を主訴に多くの方にご来院いただいております。
そもそも顎が悪くて顎関節症になるわけではなく、何かほかに原因があってそれが連鎖しあって発症することが大半なわけです。
しかし現在の保険診療はあくまで顎が悪いから顎関節症になるというスタンスで組まれています。
これは私の考え方と保険診療の枠とが明らかに食い違っています。

ですから保険診療の顎関節症治療では正直、やりたい治療・やらなくてはならない治療が十分に出来ないのです。
そこで保険診療に定められていない治療を自費で行い、定められている内容は保険診療で行う、これは一見効率がいいように見えますが、現在の日本の医療制度は混合診療禁止の大原則があり、これも行うことはできません。

よって本当に有効な顎関節治療を進めるなら、患者さんも歯科医師も保険診療に縛られていては不十分です。
でも一番縛られていたのは誰より私です。手前味噌ですが自分なりには今まで咬み合わせのことについてたくさん勉強してきたつもりですが、保険診療の枠に自分の臨床をはめ込んでしまった結果、本当にやりたい処置は十分行えず、行ったとしてもボランティアで一部の行為をやってしまったため、十分な効果が得られないばかりか医院自身が疲弊してしまいました。

そこで7月より当院では基本的に顎関節治療においては自費診療を主体に行うことにいたします。ただし患者さんによってはどうしても保険診療でしかさせていただけない場合もあるので、保険医である以上拒否は出来ないのでその時は仕方がないので良くないと思っていてもあくまで保険で認められた範囲で行います。
現在、治療費をスタッフと相談しながら煮詰めておりますが、シンプルな内容なら一度のご来院で数千円程度の範疇で顎関節症の自費診療の費用を考えております。
 
| seiji0024 | 顎関節症 | 22:41 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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