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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
看護師の視点から捉える嚥下障害

現在私は本格的に嚥下障害の治療をルーティンに行っておりますが、この嚥下障害の臨床は主に歯科医師の先生に教えていただきました。

しかし実際の臨床現場で最も切実に嚥下障害と向き合われているのは在宅や入院で担当として関わられている看護師の方々ではないでしょうか?

この看護師の方のお話しは我々歯科医師はあまり聴ける機会がありません。

そんな折、たまたま現在京都府立医科大学にご在籍で摂食・嚥下障害看護認定看護師の資格を持たれている看護師の山根由起子先生の嚥下障害に関する講義を聞く機会があったので、行って参りました。

我々地域の開業歯科医師がまだまだ接することの少ない脳卒中急性期や神経難病などに多く関わられて来られただけあって、特にその領域の嚥下障害に関しては我々より圧倒的な知識と経験をお持ちでとても勉強になりました。

嚥下障害については自分なりに勉強してきたつもりでおりましたが、この度の山根先生のお話しを伺って改めて自分自身の勉強不足を思い知らされたところです、

 

| seiji0024 | 摂食嚥下 | 08:35 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
もう一度見直したい胃瘻(胃ろう)

マスコミなどから散々叩かれてしまった上に診療報酬を大減点されて悪い医療の代名詞のようにされてしまった胃ろうですが、本当に全てが悪いのでしょうか?

 

私もかつてはあまり胃ろうに対して良いイメージを持っておりませんでした。

しかし嚥下障害を学んでいくと、嚥下障害の改善の中にこの胃ろうという治療法は重要な選択肢であるとわかってきました。

 

一番それを感じるのが脳卒中で嚥下障害が生じた時です。脳卒中発作直後に嚥下障害が生じて口から栄養が摂れなくなってしまうと、多くが経鼻栄養かIVH(中心静脈栄養)を入院先の病院で行います。

その後、ある程度回復するまで経鼻栄養が行われますが、それに合わせて嚥下機能も自然に回復してくれるとは限りません。

そこで嚥下機能に問題が残ってしまった場合、経鼻栄養を続けるか胃ろうを造設するかの選択になります。

 

その際、昨今の胃ろうに対するバッシングから、最近胃ろうを選択されずに長期間経鼻栄養が続けられている頻度が高くなった印象を持ちます。

 

しかし嚥下機能のトレーニングを行う上で、経鼻栄養で用いられるチューブほどじゃまなものはありません。このチューブが咽頭(喉の奥)に横たわっているだけで、その方の嚥下反射はどんどん鈍ってしまいます。

 

元来、急性期から回復期に移って間もないころというのは、嚥下障害に対して介入する時期としてはものすごくおいしい時期ですが、その時期にこういったじゃま物があるととても困ります。

このおいしい時期を逃して、どんどん廃用化が進んでから嚥下障害に介入しても、劇的な回復を見込める可能性はどんどん下がります。

ですから理想的には全身状態、嚥下状態、それに経管栄養と嚥下リハビリ、これらが有機的にリンクしていく中で適切な時期に胃ろうの造設を行うことは、非常に意義があります。

このようにチーム医療が有機的に機能していく中での胃ろうは、もっと増えていいのではないかと個人的には思っております。

 

 

 

 

 

 

| seiji0024 | 摂食嚥下 | 09:11 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
大きな回復が期待できない認知症による嚥下障害の実際

このところ、嚥下障害については猛勉強を続けております。
そのような折、京都府歯科医師会で行われている嚥下障害臨床を在宅医療で活躍できる歯科医師を養成する事業にいち早く応募し、この事業の最後の研修を受けてまいりました。
前回と同じく大阪大学歯学部顎口腔機能治療部の田中信和先生に講義をしていただきました。

嚥下障害臨床の理想は、脳血管疾患が発症した直後に我々が介入するのが最も望ましいのですが、現実にはその時期は急性期病床で急性期の栄養管理などにチームが忙殺されてしまい、なかなか嚥下障害まで行き届かないのが現実です。
よって脳血管疾患が原因であっても我々が接するのは大きな回復が期待しにくい慢性期のケースが大半です。しかも嚥下障害全体で見ると我々が接する機会が多いのは脳血管疾患が原因では無く、もっと回復が期待しにくい認知症が多いのではないかと私は感じております。

よって回復の可能性が多く残されている脳血管疾患の急性期ではなく、回復があまり期待できない認知症とでは、嚥下障害に対するアプローチも全く異なります。
今回は主にこの認知症が原因で嚥下障害を発症した方を想定して、かなり現場に踏み込んだ実践的な講演を拝聴することが出来ました。
 

| seiji0024 | 摂食嚥下 | 09:51 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
嚥下障害の理解を深めるワークショップ

チームで一つの目標に向かって知恵を出し合いながら議論を重ねて力を合わせて考える討論の方法にワークショップ、という形式をよく用います。
さらにこの1つの目標に対して複数のグループで意見をまとめ、それを各グループごとに発表し互いに評価し合うグループワークはチーム全体の理解を進める上でとても効果的な手法です。

そんなグループワークが先日、かねてより嚥下臨床を教えていただいている嚥下障害臨床を広める活動をしているTOUCHを主催されている舘村卓先生によって開催されたので出席してまいりました。

このグループワークに参加している受講生は私も含め、既に嚥下障害に対する臨床経験もあり基礎的知識も持っている方々が大半のため、一層場内は白熱した議論になりました。

私もまだ知識が断片的でそれを有機的につなげられなかったところがありましたが、このワークショップを通じて点と点だったものを線で結ぶことが少しできるようになりました。

| seiji0024 | 摂食嚥下 | 11:59 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
鼻と口とを塞ぐ嚥下機能の基礎知識

ものを飲み込む運動を嚥下(えんげ)と正式に呼びます。
この嚥下については昨今、手前味噌ですが猛勉強しました。
その結果、数年前と比較してかなりレベルの高い嚥下障害への臨床が提供できるようになりました。

その一方で、日頃から嚥下臨床を熱心に取り組まれている言語聴覚士の方々は、鼻と口をふさぐ機能が落ちてしまって上手く飲み込めないケースを目の当たりにされていながら、これらを改善するための装置、軟口蓋挙上装置やスピーチエイドといったものが必要だと感じおられる反面、これらの装置を歯科医師に製作を依頼しても使い物にならないものしかできてこなくて諦められている状態で我々歯科医師にとってはとても情けない状況です。

それもそのはずで、嚥下については現在では歯学部教育でもかなり重点的に教えていますし、我々のようにかつて学生時代にはあまり学ぶ機会が無かった世代も、現在では多くの卒後研修を受ける機会に恵まれております。
しかしそれらの多くは口の動きと喉の話しで、口と鼻との閉鎖について専門的な知識を学ぶ機会はほとんどありませんでした。

そんな中、以前より嚥下臨床についてご指導いただいているTOUCHという嚥下臨床を普及させる団体を主催されている舘村卓先生に先日、鼻と口との閉鎖に限定した非常に専門的な講義を受けてまいりました。

歯科のスタッフが出にくい土曜日開催、さらに非常に専門的な内容とあって今までの講義に比べて参加者は少ない状況でしたが、その分受講している私にとってはダイレクトに舘村先生の話が伝わってきて、とても多くの事を吸収できました。

本日の内容もまた一つ、自分の嚥下臨床レベルアップに役立つものと確信しております。

 

| seiji0024 | 摂食嚥下 | 13:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
嚥下内視鏡を導入しました
以前からコツコツと摂食嚥下障害について学んでおりましたが、最近、特に重点強化項目としてハイペースでこの摂食嚥下を学んでおります。
摂食嚥下臨床を続けて行く中で、一歩踏み込んだリハビリメニューを組み立てて行く中でどうしても頚部聴診などの手軽な検査だけでは躊躇してしまいます。
そんなフラストレーションを抱えながら日々の臨床を行っておりましたが、当院もついに嚥下内視鏡を導入しました。
嚥下内視鏡という摂食嚥下治療において強力なツールを得て、さらにレベルの高い臨床を提供していきます。
| seiji0024 | 摂食嚥下 | 11:57 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
嚥下障害の基礎と臨床とを結びつける

林歯科診療所では最近、うまく飲み込めないなどの嚥下障害に対する臨床に対して急速に力を入れております。
その一環で大阪府で摂食嚥下障害に対する様々な事業を現在行われている舘村卓先生に教わっているところです。前回・前々回と嚥下の基礎的な内容に関してかなり密度の濃い研修を受けましたが、今回は今まで学んだ知識を実際の臨床ケースと結び付け、どうリハビリテーションのプランを立てるかについて学びました。

実際、嚥下障害の臨床を行っていて診断については今までの鍛錬の甲斐もあって悩まなくなりました。
しかしリハビリのプラン作成となるとその一つ一つを組み合わせると膨大なパターンの数になってしまい、迷うことがしばしあります。
しかし今回の研修で舘村先生がしばし強調されていたのが原理原則は変わらないということであります。
今まで症状に振り回されて迷っていたわけですが、それまでに自分できちんと診断をつけているわけですから、その診断に基づいて一つ一つセオリーに則ったリハビリメニューを組めばいいのだと、今回の研修を受けて自信がついてきました。

我々専門のトレーニングを積んだ歯科医師が飲み込めない嚥下障害の臨床を行っていることはまだまだ皆様に知られておりません。
でも実際には我々が介入すれば口から食事が摂れて、有意義に生きていられる多くの方がいらっしゃるのも事実です。
今後は研鑽もさることながら、この素晴らしい臨床を多くの方にPRしていくことが求められるところです。

| seiji0024 | 摂食嚥下 | 07:11 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
嚥下障害の症例発表を行いました

毎年、地元の医師会である下京西部医師会主催の下京西部医師会学術集談会に参加しておりますが、今回は久々に私が演者として発表を行いました。
今回のテーマは在宅の嚥下障害患者さんで、私が介入することによって嚥下障害が大きく改善し、禁食状態だったのがほぼ全量、口から食事が摂れるようになったケースを症例報告させていただきました。

実際に動画も交えてのプレゼンテーションでご聴講いただいた方の中には驚きの声をあげてくださった方もおられました。

しかしこれだけの結果を得られたのには家庭環境やサポートする医療資源などの条件があったからですが、何よりも嚥下障害臨床をコーディネートする私自身が手前味噌ですが、的確に診断を下し治療計画を策定したからだと思っております。

嚥下障害で食べたくても食べられなくて低いQOLにさらされている方々を一人でも多く人間らしい生活にしていきたい、との思いで勉強してきてその成果を発表しました。

しかしとても残念なことに、これだけ素晴らし治療成績を残し発表の場を通じてアピール致しましたが、ここに大勢来られた在宅医療のキーパーソンであるケアマネージャーの方には全く伝わらず、この発表依頼数カ月経ちましたが、嚥下障害や有病者に対応できない割に営業力の強い歯科医院に依頼が全て行ってしまい私のところに依頼が一件も無いのが現状です。

実際には在宅できちんと管理されていない嚥下障害の方は無数におられるはずです。その方たちを少しでも救うために今後はケアマネージャー以外に訪問看護などに幅広く啓蒙していきたいと思っております。

| seiji0024 | 摂食嚥下 | 08:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
慢性期・陳旧期の嚥下障害に対する対応

上手くものを飲み込みにくくなる嚥下障害の多くは高齢者です。
その高齢者でとても多く認められるのが認知症です。我々は高齢者の嚥下障害に対して、多くはこの認知症を理解しなが治療を行っていく必要があります。

そんな中、歯科医師会で今年度、京都府下各地域において摂食嚥下障害臨床の中核となる歯科医師の人材を育成するために、4日間の密度の濃い研修を行い、先日の基礎編に続いて習熟編の研修が今回行われ私も参加いたしました。
今回の研修は二日間にわたって開催され、二部構成で行われました。

初日は嚥下障害の概略について大阪大学歯学部顎口腔機能治療学教室准教授の野原幹司先生に講師を務めていただきました。
この講演では技術的な内容というよりは、嚥下障害の歴史や社会的背景、さらに何故我々歯科医師がこの嚥下障害に対応することが社会的に求められているのか非常にクリアカットにご説明いただき、ただただ唖然と納得させられながら拝聴しておりました。

二日目は嚥下障害の基礎的理論と臨床における観察ポイントについて同教室の田中信和先生にご講演いただきました。
人が食べ物を口に運んで胃まで入るまでに5つの段階がありますが、その5つの段階毎に詳しく基礎を解説していただきました。
さらに嚥下障害に対する臨床を行う前に、その治療が必要か否か日々高齢者の身近におられる専門的な知識を持っていない方でもできるスクリーニングについて学びました。

まだこのシリーズの研修はあと一回残っております。全てを吸収して今後の臨床にさらに役立てていきたいところです。



 

| seiji0024 | 摂食嚥下 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
歯科臨床家からの摂食嚥下臨床
このところ私は摂食嚥下障害に対する臨床を猛スピードで研修し、現在は以前と比較するとかなり高度な臨床を行えるようになってきました。
その過程にあって今まで私はどちらかと言うと生粋の摂食嚥下のエキスパートの先生に教わってきました。
その中での研修は、とてもレベルが高く非常に専門的でしたが、ちょっとハードルが高く理解するまでにかなり時間がかかってしまったところです。
でもそんな甲斐もあって現在では教わった多くを自分なりに吸収し、理解できるようになってきましたが、摂食嚥下障害に関する臨床は決して一人で行えるものではなく、他職種連携となにより患者さんのご家族のサポートがとても重要です。

そんな中、先日私は大阪歯科大学高齢者歯科学講座准教授の高橋一也先生が講師での摂食嚥下に関する勉強会に出席いたしました。
高橋先生は元々入れ歯や咬み合わせを長くご専門にされておられた中、大学の講座再編などの事情で現在では高齢者歯科をご専門にされ、その中でこの摂食嚥下障害もご自身で勉強されて現在は第一線でこの分野での臨床を行われております。

そのような経緯もあって、今回の研修ではとても聴きやすかった印象を持ち、それは同時に他の専門職の方々やご家族の方への説明の際に、この度の研修がとても役に立つと感じました。

まだまだこの摂食嚥下障害は未開拓の分野で、潜在的なニーズは非常に多いにも関わらず、臨床の依頼がまだ少ないのが現状です。
しかし、口から食事を摂れて有意義な余生を送りたいと願っている多くの嚥下障害を抱えている方はたくさんおられるはずです。
そういった方々のお役に少しでも立てるよう、研修もさることながら今後はPR活動もしていかねば、と感じているところです。
 
| seiji0024 | 摂食嚥下 | 08:27 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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