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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
実現可能な歯の再生についての考え方

京都 下京区 丹波口 七条の林歯科診療所 院長の私は、大学で一時研究生活に没頭していた時期があります。
そんなこともあって、平均的な歯医者さんと比べると、今でも世界最先端の医学研究にはとても興味があって、こういった話題になるといつもワクワクしております。

そんな中、先日私の母校 日本歯科大学の同窓会で歯の再生に関する講演がありました。
講師には日本歯科大学教授の中原貴先生で、ご自身が京都大学再生医学研究所と共同で研究されている歯の再生に関する情報提供でした。

この中で中原先生が強調されていたのが、一時の話題づくりのためだけの研究であってはならない。研究は常に将来の実用化に向けて役立つものでなくてはならないとのことでした。

そして中原先生が構築された歯の再生システムはいくつか特徴があります。

実際には採取不可能な歯胚(歯の種)細胞ではなく、親知らずから容易に採取できる歯根膜細胞を使う
異種動物を介さず、試験管から直接自身の体内で培養する感染症に対し安全な培養システム
その培養で用いる培養液や足場となる材料は入手容易なものを使う

といった、最初から臨床応用を相当意識した姿勢で研究に当たられているところがひしひしと感じられました。

| seiji0024 | 研究開発 | 09:28 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
失った歯ぐきがよみがえる再生医療の最前線
京都・下京区・丹波口駅・七条の林歯科診療所では、以前より歯周病で失った骨を再生させるためにGTR法エムドゲイン法を用いた再生医療を行っておりました。
しかしあるときから患者さんから強く希望される場合以外では、ほとんど行わなくなりました。

この再生療法、手術による負担が大きく治療費も高額になる割には、思ったほど骨の再生量が得られないのが正直なところです。
そこでどうも私は今までの再生療法では、患者さんに大きなご負担を与えるだけの対価が得られないと思い、徐々に消極的になってまいりました。

その結果、現在再生医療をほとんど行わなくなってしまったのですが、私自身がこの再生療法に対する関心が薄れているわけではなく、もっと画期的な治療法の開発を切望しております。

そんな中、先日東京医科歯科大学山口朗先生による、骨の再生医療研究の最前線についてのお話を聴いてまいりました。
山口先生は一貫して骨の再生に関して分子レベルからの基礎医学を研究されており、今までに数多くの研究成果を発表されて来られています。
今回はその長年の研究成果のうち選りすぐりをご講演いただきまして、夢のある将来の臨床応用が期待され、とてもわくわくしながら受講してまいりました。

以前より私は将来の歯科医療を担っていく中で、再生医療に求められる分子生物学や発生生物学といった基礎的知識は必要だと思っておりましたが、山口先生のお話を聴いてますますその思いが強くなりました。


| seiji0024 | 研究開発 | 08:21 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
体外培養で世界初、歯の再生に成功 日本歯科大の研究チーム
先日、日本歯科大学の中原貴先生と佐藤聡先生のグループが歯の組織の一部を用いてマウスの歯を再生させるための培養方法の確立に成功しました。
体外での培養条件での成功は世界で初めてで、3年後を目処にヒトの歯での応用を目指していらっしゃるとのことです。

歯の再生、世界的に見ても歯科の研究分野の中で最も競争の激しい分野ですが、この厳しい環境で日本の研究者が活躍していることにうれしく思うとともに、今後の研究がさらに加速するものと期待されます。
| seiji0024 | 研究開発 | 08:13 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
エビデンスが不足している歯科医療
京都・下京区の林歯科診療所では歯周内科マイクロスコープなどの先進技術を積極的に導入しております。
こういったことに対して、一部の同業者より「実績がない治療法だ」とか言われ、批判されることがございます。
こういった先進技術を導入するに当たって、いつも私の頭を悩ますのが、「この治療法、科学的に正しいのだろうか?」といったことです。
元々、私は若いころ研究室にこもって研究していた訳で、一般的な歯科医師の方々と比べてかなり文献などを調べる癖が自然についています。
そうしていくと歯科の世界の研究データがいかに不足しているか、思い知らされます。

結局、新規技術の導入に関して多くは、数少ないデータを自分なりに解釈し、その採否については自分の責任で判断するしかないのが現状です。
ですから私はあまり他の歯医者さんに、「この治療、うまくいく?」などと聞かれることはたびたびあっても、自分から質問することは一切しないことにしています。

というわけで、当院で行っている先進技術は私が自分なりにすばらしい治療法だ、と解釈して取り入れているものばかりです。よって中には一般的でないもののあるかも知れませんが、そのあたりの経緯をご理解いただきたく思います。
| seiji0024 | 研究開発 | 07:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
近い将来歯科医師に必要とされる知識
現在、日常臨床で歯科領域の再生療法でまず、皆様にパッと思い浮かべていただくと多くの方がインプラントをイメージされることと思います。
このインプラントはチタンというシリンダー型の金属で出来ており、手術して顎の骨に埋め込みます。
手術が成功し、感染が起こらないとこのインプラントは顎の骨と強固に噛み合い、失った歯の代わりとして機能できるようになります。
このインプラント治療によって得られるメリットは非常に大きく、もちろん林歯科診療所においても日常臨床に取り入れております。

しかしこのインプラント治療は本当の再生医療なのでしょうか?
元来、再生医療とはIPS細胞のようなものを用いることが本道だと思います。
そういう意味からすると、インプラント治療は科学的にはずいぶん古い治療で、とても最新の治療とは言えません。

あと10年か20年もすれば本当の再生医療が歯科治療でも行われるようになるでしょう。
その時、我々は古い歯科治療の技術ばかり習得していても最新の再生医療にはついていけません。

私はそう確信しているので今でも少しずつ、現在の歯科臨床には直接関係ない”分子生物学”や”発生生物学”といった基礎生物学の分野の情報も仕入れております。
こういった基礎生物学分野は付け焼刃で勉強しても、全く追いつかないほどとても奥が深いです。

私が先を見越して得ている知識が近いうち、お役に立てるような夢のある再生医療技術の進歩と普及がなされることを、心躍らせながら期待している次第です。
| seiji0024 | 研究開発 | 08:45 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
次世代歯周病菌検査の展望
京都・下京・丹波口・七条七本松の歯科・歯医者 林歯科診療所では薬をつかって歯周病治療を行う歯周内科を取り入れております。
その治療過程において位相差顕微鏡による歯周病菌の観察を行っていますが、先日このブログでも取り上げたように顕微鏡検査だけでは判別の難しい歯周病菌を見逃す可能性があります。
そこで非常に高感度な歯周病菌PCR検査の導入が検討されていますが、検査の安定性やコストの問題が非常に多く、現在はとても使い物にならずまだ導入をしていない状況です。

しかしこのPCR検査については実用的な精度・コストのレベルに達するまであともう一歩です。
ただこのPCR検査、測定できたとしても数菌種のDNAしか実際に検査が出来ないため、口腔内に多種多様に存在する歯周病菌や歯周病原性のDNAを網羅することはできません。

そこで今回、日本大学松戸歯学部教授 安孫子宜光先生による”DNAマイクロアレイ”と呼ばれる新しい検査法についてのお話を聴きました。
DNAマイクロアレイとは特定のDNAを感知する顕微鏡でしか見れないくらい小さな物体を、非常にたくさん敷き詰め、一気に数十種類のDNA検査ができるシステムです。
現在では定量性や何よりコストに大きな問題があってとても実用化するにはまだ時間が多くかかりますが、将来この検査が実用化になった暁には、我々の歯周病臨床が一気に変わるものと思われます。


| seiji0024 | 研究開発 | 08:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
脂肪細胞から歯ぐきが再生
京都・下京区・丹波口駅・梅小路公園近く・七条七本松の歯科・歯医者 林歯科診療所ではバリエーションに富んだ歯周病治療を行っております。
その中に失われた歯ぐきを取り戻す再生医療も導入しており、かつて積極的に行っておりました。
無論、今でもご要望があれば行っておりますが、過去の経験から現在の治療法は十分な再生量が得られるものではないため、現在はあまり積極的にお勧めしなくなりました。

そんな中、先日大阪大学 村上伸也教授のグループから脂肪を元に失われた歯ぐきを再生することができる画期的な方法が研究段階で成功したことが報道されました。
この方法はご自身の脂肪組織を採取し、その後この中からさまざまな細胞に分化することが出来る幹細胞を抽出して、その幹細胞を失われた歯ぐきの場所に切開を加えて移植するものです。
この研究結果ではおおよそ8割の再生量が得られたとのことでした。

世界的にはこのような研究が他にも見られるのですが、この方法の優れているところはなんと言ってもすごく採取が簡単な脂肪の幹細胞を使っていることではないでしょうか?
脂肪組織なら非常に採取が簡単で、患者様の負担も極めて少ないのでこの方法が一定の安全性・利便性・低コストが実現できればとても楽しみな治療法になると思われます。
| seiji0024 | 研究開発 | 10:16 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
現在行われている再生医療に関する本音
京都・下京区・丹波口駅・七条七本松の歯科・歯医者 林歯科診療所ではインプラント再生療法的な歯周病治療を行っております。
しかしこれらの技術は真の再生医療と言えるのでしょうか?

インプラントは円柱形のチタンスクリューからなり、歯とは形態も組成も構造も全く異なるものです。
ただ失った歯を補う治療法として、根本的に解決させる治療法としては現在のところこのインプラントしかないので(入れ歯やブリッジは所詮他の歯に負担させているのであくまで対処療法です)、「仕方ないな・・・」と思いながらこのインプラント治療をご提案させていただいている状況です。

また再生療法的な歯周病治療に到っては異種動物の細胞成分を用いる技術しかなく、とても再生医療と言える代物ではないため、この治療法について私は技術としては持っておりますがあまりこちらからお勧めはしていないのが現状です。

やはりこの再生療法の分野は技術革新が全く足りていない現状です。無論、世界の研究者がこぞって研究しているのですが、さらにその流れを加速させていく必要はあると思います。
最近では京都大学の山中教授のグループが世界に先駆けて発表した万能分化細胞であるIPS細胞の歯科臨床における応用などは、私も今後の展望が楽しみでなりません。

しかし自分自身の細胞から手軽に歯や歯ぐきが再生する、そんな時代がいつか到来するまでは当分長い間既存のインプラント治療などとは我々もお付き合いをしていかねなりません。
| seiji0024 | 研究開発 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
研究生活で得られたもの
京都市・下京区・丹波口駅・梅小路公園そばの歯科・歯医者 林歯科診療所は院長一人と数名のスタッフで行っているごく小規模の町医者です。
そんな私ですが、かつては大学の研究室に在籍し、どっぷり夜中まで研究生活に没頭していた時期が長くございました。
私の専門は神経科学で、それを組織化学(組織や細胞を顕微鏡でみる方法)の手法を一貫して用いて行っておりました。
研究生活の一番最後には強烈な歯の痛みに神経科学的に対処するための基礎研究を行っておりましたが、志半ばで完結できなかったことが今でも非常に悔やまれます。

特に私が実験手法として取り扱ってきた組織化学は、マニュアルどおりにいかないことが多く、経験や技術を要します。そのためある程度、誰かにどっぷり教わらないとなかなかできません。
しかし残念ながら当時の私の周りには私についてくるガッツのある若い人が名乗りを挙げず、私の培ってきた技術は途絶えてしまいました。

このように当時は寝る時間も惜しんで実験したり文献を読み漁っていました。しかしこの作業は誰からか指示されて行ったものではなく、自分自身で目標設定しスケジュール管理を行っていたものです。
研究の世界に入るまで、私は目の前に指示されたものやノルマがないと行動に移せなかった人間だったのが、この研究生活のおかげで自らを管理し、目標設定することが出来るようになりました。

最近の若い歯医者さんには、研究など一銭の得にもならないと思われ非常に敬遠されています。
しかし一生のうち、若い間にこの研究の世界にどっぷり浸かることによって、他では得られないものがきっとあると思います。
これからの歯医者さんには是非、臨床という狭い世界だけでなく研究分野など広く経験していただいて、歯科医師としての見識を広く持っていただきたいと願います。
| seiji0024 | 研究開発 | 09:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
見事な歯胚再生技術
林歯科診療所 院長の私ですが、若いころ朝から夜中まで研究に没頭していた時期があります。当時は神経科学をメインテーマに研究しておりましたが、やっている間は厳しい環境でなかなか結果も出ずにすごくもがき苦しみましたが、その経験が今の自分に非常に役に立っております。
さておき、そんなことから最新の研究についても未だすごく興味がわいてきます。
そんな中、約半年ほど前に画期的な歯を再生させる技術が研究段階で成功したことが新聞紙上をにぎわせました。
東京理科大学の辻孝教授のグループが発表された技術です。
マウスを使って行った実験ですが、まずマウスの歯胚(歯の種)の細胞を外科処置で取り出し、この歯胚の細胞に辻教授のグループならではの処理を行ったものを歯の抜けてしまったところに植えると、歯の硬さ・形・神経感覚など元来の歯が有する特徴を全て兼ね備えた天然の歯が生えてきました。
ここまできれいに歯が再生した研究は他には見たことがございません。

しかしこの方法には最大の欠点があって、それは移植する生体から歯胚の細胞を外科的に取り出さなくてはなりません。当然このままではとても臨床応用できるものではありません。
やはりIPS細胞などを使って生体を傷めない再生医療技術開発が今後もさらに求められます。
しかしこの辻教授の研究、本当にお見事で次世代の再生医療研究現場にとっては非常に有意義であると思います。
| seiji0024 | 研究開発 | 07:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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