blog index

林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
昨今の地域連携の過熱について思うこと

最近、他の医療職や介護の方たちと地域連携を行いましょう、と国も地方も歯科医師会などの業界団体も全て勧めております。

そして私自身、地元の歯科医師会で長く地域連携の窓口を行っており、その地域連携については強い思いがあります。

 

その実態ですが歯科医師の中、さらには歯科医師会の会員の中にもこの地域連携を勘違いしている人がかなりいます。

どうも話を聞いていると”地域連携=訪問診療≒医院経営”になってしまっています。

ですから訪問診療の実入りのいい、特にケアマネージャーとの連携は取りたがります。

一方、直接訪問診療の紹介の実入りが少ない割に気を遣うことの多い医療の専門性が非常に高い医師や薬剤師などの方に対しては及び腰の歯科医師が多く、あまり連携を取りたがりません。

また逆に、外来が流行っていて忙しく訪問診療に行きたがらない歯科医師は地域連携を取りたがりません。

 

でもそもそもこの地域連携、これはそれぞれの専門性を生かして役割分担し、それを地域で上手く回していくことによって、地域完結型の医療を提供することが本筋であり、そこには外来・在宅・施設などの垣根があってはならずシームレスな対応が出来なければならないのです。

そこで国は医療資源として弱かった在宅を強化するためにここ数回の診療報酬の改定で、訪問診療、それも特に在宅での診療報酬を大幅に引き上げました。

すると途端に、地域連携と称して訪問診療営業まがいが横行するようになり、その結果、ちょっと頑張れば外来通院できそうなリスクの低い在宅患者さんには過剰に訪問診療で入り、逆に外来通院など全く不可能なリスクの高い在宅患者さんはうやむやで済まされていることも見受けられるようになりました。

 

でも中には在宅医療、高齢者医療に昔から熱心で非常に勉強されている歯科医師も私の仲間に大勢います。

残念なのはそういった愚直に取り組んでいる歯科医師と、訪問診療目当ての歯科医師が、地域連携の名のもとに他の職種の前では同列に扱われてしまっていることです。

 

地域連携の本筋に沿って長年真面目に取り組み勉強してこられた歯科医師がもっと評価されるような地域連携の体系であってほしいものです。

 

| seiji0024 | 歯科全般 | 09:45 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
歯根破折から歯を救うには

歯を失う理由として歯周病や虫歯がございますが、実際にかなり多くのケースで歯根が割れてしまう事によって抜歯せざる得ないことがあります。

 

歯根が折れてしまうことを病名で”歯根破折”と言いますが、正直あまり有効な手立てはなくよく患者さんとの間で歯を抜く、抜かないで揉めることがあります。

 

今回はこの歯根破折に対して保存療法を長年取り組まれている東京都でご開業の眞坂信夫先生による研修を受けてまいりました。

以前にも眞坂先生の講義だけは受けたことがありますが、実際の臨床で使えるレベルまで私が吸収することはできませんでした。

今回は十分な講義の時間と実習が受けられたためかなり自分自身、吸収することができました。

そして何より、歯根破折治療において治癒の見込みの高い場合と、あまり治癒の見込みが得られないものの場合の見極めがかなりつけられるようになりました。

 

と言うのも歯根破折治療は保険外診療になります。よってそれなりの治療費をご負担いただくわけですから、この成功率についての見通しはとても重要になります。

 

まだ当院では本格的に歯根破折治療を行える体制ではございませんが、準備を念入りに進めながらきちんとした臨床が提供できる体制になった時点で、改めに皆様にご案内いたします。

| seiji0024 | 歯科全般 | 08:09 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
双方の負担軽減につながる治療の高速化
林歯科診療所はスペースの関係から診察台が3台しか設置しておりません。
患者さんからはよくもっと診察台を増設して受け入れのキャパシティーを増やして予約が円滑に回るようにしてほしいとのご要望を頻繁にいただくのですが、いかんせんこの敷地・建物では今の3台が限界です。
新たに広い場所に移ることも検討したことがありますが、元来当院は人手とコストのかかる衛生管理の徹底や手ごろな保険外診療料金設定、度重なる研修によるスキルアップのため、売上に対しての支出がとても多い歯科医院で皆様が想像されているほど医院に内部留保が残らず、なかなか移転しての事業計画を立てづらい状況です。

そんな状況の中、治療の質を維持しながら効率を高めて処置をなるべく短い時間で済ますことは、医院にとっては一気に受け入れのキャパシティーが増すメリットがありますし、患者さんにとっても早く苦痛から解放されるというメリットがあります。
しかし治療時間の短縮と治療の質の担保となら当然、質の担保を優先すべきでありことは言うまでもありません。

当院はこんな状況がずっと続いているので、診療の効率化についてはずっと追い求めてきておりました。そんな最中、先日熊本県でご開業の東正也先生の医院までお邪魔して、高速診療の真髄について学んでまいりました。
そこで診療の効率化について、今まで自分自身も努力して改善していきましたが、もっとも参考になったのがスタッフとの連携でした。これは正直、私は今まで努力が足りないと思い知らされました。

自分自身の手を早くすることも大事かも知れませんが、チーム医療の中にあっては何より組織内のスキルと連携を高めることが、結果として患者さんにも医院にも利益をもたらすことが思い知らされた次第です。
 
| seiji0024 | 歯科全般 | 11:22 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
疾病構造の変化に求められる歯科医師の対応力
我々歯科医師が主にターゲットにしてきた疾患はどんなものでしょうか?

200年ほど前は歯科医師の仕事と言えば歯を抜くのがメインでした。

その後、アメリカでG. V. Black という歯科医師が虫歯の治療を始めて規格化し、それが急速に世界中に広まり、そこから長年歯科医師の主たる業務は虫歯の治療でした。

その後、世界的に口腔衛生状態が改善し、フッ素の普及が大きく進み虫歯の数は大きく減ってきました。

その結果、歯がたくさん残るようになりましたがそれに伴い今度は歯周病が問題になってきて、虫歯から歯周病へ業務の比率が徐々にシフトしていきました。

しかしその後、予防歯科が広まり皆さま、ご自身で手入れされるセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアの役割分担が出来るようになってきて、重い歯周病もまた減ってきました。

これだけ虫歯も歯周病も減ってくると我々歯科医師は予防以外、やることが無くなってしまったかと言えばそうではありません。

小児においては歯並び・顎、しいては顔面の成長の不全、
成人においては咬み合わせの不調、顎関節症、知覚過敏、歯の磨耗や破折、
こういったものは私がたまたま得意にしている領域なのでそう思うだけかも知れませんが、昔と比較して爆発的に増えていることは確かだと思います。

しかしこういった疾病構造の変化に柔軟に対応する姿勢、医師はご存知のように柔軟に対応してます。
今や国民にとって大きな問題であるメタボ、この言葉だって20年前には無かったわけですし、あまり治療の対象にもしてこなかったわけですが、今や医科にとっては非常にウェートの高い疾患になっています。

我々歯科医師はそういった医師の柔軟性を見習わないといけないとつくづく感じさせられます。
 
| seiji0024 | 歯科全般 | 09:46 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ワールドデンタルショーに行ってまいりました
先日、日本で最も大きな歯科器材・材料の商業展示イベントであるワールドデンタルショーを視察しに横浜まで行ってまいりました。
今回の展示で最も目についたのがCAD/CAMシステムです。このシステム、皆様何のことだがさっぱりお解りにならないと思いますが、歯の形をレーザー光でスキャニングし、コンピューター上で立体構築させて詰め物や被せ物を設計し、それをコンピューターで制御される自動旋盤で削り出して、詰め物や被せ物を製作するシステムのことです。
利点としては歯科技工士の手間が簡略化されることや、もともと物性の優れたブロックを削り出すので強度の優れたものが製作できる点です。
ほんの数年前と比較して本当に精度が向上し、満足できるものが出来上がるようになってきました。
しかしその一方、多少値下がりしたとはいえ、まだまだかなり高額な設備です。数多くのメーカーが出店しておりましたが、どれをとっても導入コストで満足できるものはありませんでした。

次に目についたものといえば、衛生管理にまつわる設備です。歯科医院での感染予防対策についてマスコミから大きく報道されたこともあって、器具の自動洗浄機や高性能な各種滅菌器など目白押しでした。
当院では開院のころから取り組んできた内容でありますが、その方向性は正しかったと改めて感じさせられる一方、今後うなぎ上りに上昇する衛生管理にかかるマンパワーやコストが心配になってきました。

ちょっと前、デンタルショーで主役だった歯科用CTについては価格破壊の情勢もあって、今回はあまり目立った展示はありませんでした

とても広い会場で足が棒になるくらい回りましたが、毎回デンタルショーに来ると時代の潮流を肌で感じることができてとても楽しかったです。
| seiji0024 | 歯科全般 | 00:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
入ってきてほしい麻酔薬
一般的な歯科治療の中で最も強い痛みが生じる可能性がある処置が、おそらく歯の神経を取る時ではないかと思います。
特に元々激烈な痛みを伴う急性炎症の時には、特に局所麻酔が十分効かず、大変つらい思いをさせてしまうことも少なくありません。
通常、我々はリドカインという成分の麻酔薬を使います。この麻酔薬は古くから使われ比較的安全性も高いものですが、あまりに激烈な痛みがある時には効果が不十分に感じることがしばしあります。

しかしこういったケースはなにも日本だけでなく世界中で起きていることですが、特にヨーロッパなのでは強い痛みが予想される場合、リドカインではなくアーティカインという新しい麻酔薬を使われることが多いです。
このアーティカインという麻酔薬、もう既にヨーロッパでは日常臨床に広く使われており、安全性は確立されている薬です。
にも関わらず日本には一向に入ってくる兆しがありません。

おそらく日本では入れるために薬事承認の手続きを踏まなければならないのですが、そこに莫大な費用がかかってしまう仕組みがあります。そのために企業はビジネスとして成り立たないと判断して取り扱わないのではないでしょうか?

高コストな日本の薬事承認、昨今抗がん剤などでもいろいろと批判されていますが、我々歯科の領域でも困ったことが起きています。
こんな制度の理由で、歯の神経を取るのに麻酔が効かなくて痛くて辛い思いをするのって、嫌だとおもいませんか?
| seiji0024 | 歯科全般 | 08:02 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
デジタル技術の進歩で変わりゆく画像診断
近年、あらゆる分野においてデジタル技術の進歩は著しく、社会生活に大きな役割を果たすようになってきています。
そんな中、医療分野でもデジタルの普及は急速に拡大しており、かつては珍しかったデジタルレントゲンも最近では当たり前の時代になってきました。

歯科の場合、湾曲した下顎の骨を1枚の画像にするために断層撮影を行うパノラマレントゲンと、口の中にフィルムを入れて口の外からX線を照射するデンタルレントゲンの2種類が圧倒的に多く用いられてきました。
これらの大半もちょっと前まではフイルム全盛だったのに、この数年でほとんどデジタル画像に変わってきました。
こんな背景の中、先日主にデジタル画像についての特徴や注意点などについて昭和大学の佐野司教授に歯科医師会でご講演いただき、聴講してまいりました。

まずパノラマレントゲン・デンタルレントゲンともにデジタルとフィルムを比較すると、フィルムのほうが圧倒的に細かな解像度が得られることが紹介されました。こういった話を聞くと医療用デジタルの技術もまだ道半ばであると感じます。

その一方、歯科用CTについても多く触れられました。とても高価な医療設備にも関わらず急速に普及率が伸びており、現在はおそらく10%以上の歯科医療機関が歯科用CTを保有しているのではないかとも言われております。
この歯科用CTの現在は非常に高性能で、今後さらなる低被曝が実現できるなら口腔内にフィルムを入れるデンタルレントゲンなどは無くなってしまうかもとも述べられておりました。

当院でも画像はすべてデジタル化していますし、歯科用CTも完備しておりますが、これらもいずれ老朽化とともに時代遅れになることでしょうから今のうちから継続してデジタルに関する知識も蓄えていきたいものです。

 
| seiji0024 | 歯科全般 | 07:22 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
咬み合わせの調整と称して安易に歯を削ってはいけません
当院にもよく咬み合わせの不具合を主訴に来院される方が結構いらっしゃいます。
そういったケースでよくあることが、過去に何回もいろんな歯医者さんで咬み合わせの調整のために歯を削っています。
しかしその方たちの多くは咬み合わせの不調が良くなるどころか、年々悪くなっているかたばかりです。
患者さんは歯を削って咬み合わせが治ると思い、歯科医師の中にもそうすれば治るもんだと思い込んでいることがあります。

しかし本当に歯が飛び出して咬み合わせの調子が悪くなるケースは全体の中でごく一部にしか過ぎないと思っております。
咬み合わせ不調の多くは身体の軸がずれてしまっていたり顎がずれてしまっているので、結果として咬み合わせの不調という症状に表れているだけです。
ですからおかしいのは歯ではないので、これでいくら歯を削っても根本から解決したことにはなりません。
それどころか歯を削ってしまうと、その削られた分をもっと当てようと身体や顎のバランスが崩れてしまい、歯のみならず身体のいたるところの不調を感ずることも少なくありません。
よって歯科医師は咬み合わせの調整と称して安易に歯を削っては決していけない、もし削る必要がある時はきちんとした研鑽を積んだ上で行うべきだと私は思います。
| seiji0024 | 歯科全般 | 09:24 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
静脈内鎮静法を学んでまいりました
先日、丸2日間の日程で東京医科歯科大学まで静脈内鎮静法を学んでまいりました。
深山治久教授をはじめ教室員の数多くの先生方に大変お世話になり、ほとんどマンツーマンで指導していただけました。
ここで感じたことはこの研修だけでは静脈内鎮静法を現在の当院の体制で行うことは不可能であるということです。
実際に行ってみるとその作業は自分で想像しているよりはるかに慌ただしいです。
完全に流れが頭に入っていなければスムーズな臨床はとても行えませんし、それは自分だけではなく何よりスタッフの教育が必要になります。
しかしそれ以上に感じたことは、処置を行う歯科医師と鎮静を管理する歯科医師は必ず分担しなければならないということです。
鎮静法はただでさえ慌ただしいのに、処置をするのと同時ではとても集中できませんし、何かあったとき対処できません。

ルーチンワークで出来るようになればとても魅力的な治療ですが、それも安全が担保されるのが絶対条件ですのでこれを実現するにはまだまだクリアしなければならないハードルがたくさんあることが思い知らされましたが、いつかこれが安全に実現できるよう環境整備を計画していきたいと思うところです。
 
| seiji0024 | 歯科全般 | 08:10 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
とても高性能になったシリコン印象材
かぶせ物などを作る際、必ず歯型を採ります。
この歯型、通常は扱いやすいアルジネートと寒天という材料を併用して採ります。
しかし一部、インプラントやラミネートベニアではシリコンラバーと呼ばれる材料を使わないと上手くいきません。
かつて私はインプラントの歯型を採るにはずっとポリサルファイドラバーと呼ばれる材料を愛用していました。
このポリサルファイドラバー、ものすごい臭くて固まるまで時間もかかるため患者さんにはすこぶる不評の材料でしたが、その歯型の正確性は圧倒的で、長年愛用し続けてきました。
しかしずいぶん前よりこの材料、原材料の入手困難とのことで発売が中止されてしまいました。その後も大切に少しずつ使っていましたが、最近ほとんど在庫が無くなってしまったため、他の材料に切り替えざる得ない状況になりました。
そこで最近になってようやくインプラントでもシリコンラバーを使いだしたのですが、このシリコンラバー材料の性能が飛躍的に進歩していることに大変遅ればせながら驚きました。
歯型の正確性たるや、もはやずっと愛用してきたポリサルファイドラバーと遜色ないレベルまで向上しています。
しかも最近のシリコンラバーは濡れた面でも相性がいいため、湿った歯肉との境目などはお気に入りだったポリサルファイドラバーよりずっときれいに歯型が採れます。
まだ若干、大事に保管していたポリサルファイドラバーの在庫が残っていますが、これだけシリコンラバーが良くなったのでもうあまり使うこと無いかもしれません。
| seiji0024 | 歯科全般 | 08:12 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2019 >>

bolg index このページの先頭へ