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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
全く進まない周術期口腔機能管理

がんの手術や化学療法を行う際、口腔ケアを行うことで術後の肺炎予防や副作用による口内炎の発症を和らげることは以前より言われております。こういったことは周術期口腔機能管理と呼ばれ、その大切さはあらゆるところで科学的に証明されており、それを受けて政府も推進を促す施策をとっているところです。

 

しかしながらこの周術期口腔機能管理は全く機能しておりません。我々歯科医師会の有志たちはこれではいけないと思い、研修会を企画するのみならず、病院に働きかけて連携を促すよう努力しております。

 

にも関わらず全く広がる兆しはありません。この一番の原因は結局病院側にあります。

医科の方々にとってはいくらエビデンスがあると説明されたところで、口腔ケアが手術後の回復や化学療法などの副作用軽減に役立つというのとはまゆつば物に捉えられており、にわかに信じてもらえません。

 

ですからまず歯科のある地域の基幹病院でこの周術期口腔機能管理を行って、その実績を広くアピールしていただかないと信じてもらえず何も進まないのです。

この事は我々街の開業医がいくら束でかかっても、歯科のある病院が動いてくれないことには何も始まりません。

 

そこで我々はずっと歯科のある病院に対してこの周術期口腔機能管理をまず取り組んでいただくよう、働きかけを続けているところです。

しかし基幹病院の中にある歯科と言えば、ほとんどが口腔外科を専門で行っているところです。この口腔外科を専門とされる歯科医師の多くは、外科手術については興味を示すものの医療連携については関心を持ちたがりません。

しかしもう時代の流れは変わり、病院にいる口腔外科の歯科医師に対しての社会のニーズも様変わりしてきているのに早く気付いていただきたいです。派手な外科手術のニーズも多少はあるかも知れませんが、そんなレアケースはせいぜい各都道府県に数か所あれば十分なはずです。それよりもまずは病院内での医療連携をしっかり構築して、実のある周術期口腔機能管理を行えるようにすることは総合病院の中の歯科の役割として必須だと考えます。

 

| seiji0024 | 口腔外科 | 08:34 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
口腔顔面痛学会に参加していきました
先日、東京医科歯科大学附属病院内で開催された口腔顔面痛学会に参加してまいりました、
この学会は口腔領域における痛みについて専門としている学会です。
そもそも痛みといってもいくつか種類があり、その系統によって対処する治療法は変わってきます。
歯が原因か、歯以外が原因かの鑑別が必要です。
歯が原因の場合、虫歯以外に、歯周病や歯の破折、咬み合わせなどが考えられます。
歯以外の原因となるととても難しくなります。
神経そのものの障害にによるもの。典型的なものとしては三叉神経痛やヘルペスウイルスの感染などです。それ以外にも血流障害などによって生じるニューロパシーと呼ばれるものがあります。
また末梢神経レベルでは正常であっても脳の中、中枢神経領域で異常が起きて結果として歯の痛みに感じてしまう場合などがあります。

我々、日常臨床で歯痛の訴えに対する対応は頻繁に行っておりますが、こういったもの全てをどこか自分の頭の中の片隅に意識しながら診査診断を行わなくてはなりません。
そういった点で、この学会は参加してとても勉強になりました。
まだまだ小さな学会なようですが、とてもいいお話しをされているので、是非広く浸透していけばいいな、と感じるところです。
 
| seiji0024 | 口腔外科 | 07:57 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
もう少し身近に使いこなしたい漢方薬
歯科臨床ではなく医科の臨床、例えば内科・婦人科・整形外科・精神科・耳鼻咽喉科などではポツポツと漢方薬が使われます。
先生によってその頻度は異なりますが、歯科と比べるとよく使われております。
一方、歯科では今までほとんど漢方薬を使われることはありませんでした。一番大きな理由は保険診療において明確に漢方薬を使えるルールが明確になっていなかったことが大きいのではないかと思っております。

そんな最中、最近になって歯科の保険診療においてかなり明確に漢方薬の使用に際してのルールが明らかになってきました。この一連の経緯に大変働きかけを続けてこられた、大阪歯科大学教授の王宝禮先生をこのたび京都府歯科医師会でお招きし、保険診療における漢方臨床についての講演をしていただき、スタッフ共々拝聴してまいりました。

今までにも何度か王先生の講演を受講したことはありますが、相変わらずのパワフルなレクチャーで講演中も全く飽きることなく楽しく受講することが出来ました。

使いたいケースのうち一部にしか認められておりませんが、この機会にぴったりのケースがあれば、自身の臨床の幅を広げるためにも今後は私も積極的に漢方を使っていきたいと感じさせられました。
| seiji0024 | 口腔外科 | 18:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
当院でよく聞こえる”まっすぐ5番”
当院の診察室で私がスタッフに指示を出す際、「まっすぐの5番」という声をよく出します。
この「まっすぐの5番」とは歯を抜くときに使う道具です。
歯を抜く際、へーベルと呼ばれるくさびのような器具と、鉗子と呼ばれるペンチのような器具を通常使います。
この「まっすぐの5番」とはこのへーベルの一種で、その中にまっすぐのものと曲がっているものとがあり、それぞれに細いものから太いものまであります。
私が愛用している「まっすぐの5番」はまっすぐでその中でもかなり細いものになります。
私は「まっすぐの5番」だけで全抜歯の9割を行っています。その中には埋まった親知らずの抜歯も含みます。

以前はいろいろな抜歯道具を使っておりました。しかし抜歯の基本手技を守るとほとんどこれ1本で出来てしまうことがわかりました。
ですから当院の抜歯道具はやたらこの「まっすぐの5番」だけがたくさんあり、その他の器具については使用頻度が少ないので、多くを倉庫にしまったままです。

抜歯の際によくこの声が聞こえてきますが、道具の名前なので診察室に在席されている方はあまり気になさらないようお願いたします。


 
| seiji0024 | 口腔外科 | 10:50 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
よからぬ想像をするならまずは病理検査
最近、口の中にできる病気、ただの口内炎であったり、場合によってはがんのこともあります。
このような口の中の病変はご本人が早くから気づことが多くあります。
その中で、よく勝手にがんではないかと想像して、そのまま逃げ惑っている方もよく見ます。
こんな場合、病変を切除して病理組織検査といって顕微鏡で詳しく観察できるための試料作りをして、この診断のために専門のトレーニングを受けた病理専門医が診断することを行えば、最も正確に病変を診断することができます。
ここで皆さまが抵抗されるのがやはり病変の切除だと思われますが口の中の粘膜表層のものが大半ですので、軽い局所麻酔で切開も最近ではレーザーを使いますので、術後の出血もほとんどありません。術後、念のため痛み止めもお渡ししておりますが、多くの場合お使いにならないです。
これだけ簡単に受けられる検査、よからぬ心配をされるなら是非お受けになられることをお勧めいたします。
 
| seiji0024 | 口腔外科 | 08:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
今や親知らずの抜歯にCTは必須です
埋まった親知らずの抜歯、患者さんにとっても我々歯科医師にとってもとても大変な治療です。
患者さんにとっては処置時に苦痛を伴いますし、術後も痛み・腫れがどうしても生じます。
また歯科医師にとっても技術的なスキルを要求される以上に、出血や神経損傷などのリスクと常に裏腹で処置をするため非常に神経がすり減ります。
こんな親知らずの抜歯、かつてはパノラマという平面のレントゲン1枚で長年、抜歯を行っていました。
しかしそれから取り巻く環境は急速に変わりました。歯科用CTが非常に普及する一方、親知らず抜歯による神経損傷が医療訴訟の対象として多く取り扱われるようになってきました。
このような背景から、現在では親知らずの抜歯にCT撮影を行い、神経損傷をなるべく生じさせないような術式の選択することが必要となってきました。
現在、当院では年間数百本の埋まった親知らずの抜歯を行っていますが、全てのケースでCTを撮影しております。
もしかして知り合いの方が昔に親知らずを抜歯した時はパノラマレントゲンだけでやったという話も聞かれることもあるやもしれませんが、もう時代背景が違ってきておりますのでご了解のほどをお願いいたします。
| seiji0024 | 口腔外科 | 07:26 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
何故、これだけ骨粗鬆症の薬で問題が起きているのか?

ここ数年間で、骨粗鬆症の薬を飲まれている方が、その後歯科治療を受けて顎の骨が腐ってしまって深刻な状態になるケースがかなり増えてきています。
骨粗鬆症の薬にはいくつか種類がございますが、その中でも最も薬効の強いビスホスホネートと呼ばれる系列の薬が問題となってきています。
そのために厚生労働省はじめ、骨粗鬆症の薬を製造販売している各社から、我々歯科医師のみならず、その薬を実際に処方している医師や指導を行う薬剤師にも度重なる注意喚起の文書が届いております。

にも関わらず、骨粗鬆症の薬で顎の骨が感染するトラブルが一向に絶えません。
しかもそれは厚生労働省や製薬会社が世界中の膨大なデータを集積して安全対策を取っているにも関わらずです。

日本人だけがビスホスホネートに対する特別な遺伝子を持っているわけではありません。
それは世界中のデータを取っている平均値と比較して日本人の口腔内の衛生状態があまりに劣悪だからです。
ビスホスホネートは飲むと血中から骨に取り込まれ、骨を溶かす働きを抑制することで骨密度の低下を防ぎます。
しかしその取りこまれる骨に炎症があれば、炎症が無い状態よりはるかに高密度にビスホスホネートが取り込まれます。
日本人の多くが劣悪な口腔衛生状態のため、常に顎の骨が炎症状態でこのビスホスホネートを飲んでいるため、考えられない高密度で顎の骨に集積してしまい、それが感染を引き起こすことになります。

ですからこの骨粗鬆症の薬を飲まれている方は、相当厳密に口腔衛生状態の管理を行っていただくために、日々の歯磨きはもちろんのこときちんと歯科医院でマメにチェックを受けに行っていただきたいところです。

是非、皆さまがきちんと管理をされ、こんな恐ろしいことがただの取り越し苦労で済むようにしていきたいものです。

| seiji0024 | 口腔外科 | 07:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
病院歯科医師としての使命

先日、とあるインプラント治療の研修会に参加しました。その際、たまたま私の近くにとある公立病院の歯科口腔外科に勤務している方も出席されていました。
すると休憩時間にその方は思ってられることを口にし始め、その中に「今まで病院で引き受けている障害者の歯科治療なんかやりたくない   障害者治療は減らして自分はインプラントをやりたいんだ。」と話し始めました。

私も黙っていればいいものの、あまりに頭にきたのでつい言い返してしまいました。「**市民の多くにとって別に先生がインプラントをされなくても困ることは何もないのでは。でも**市もしくは近隣の町におられる障害者の方々にとって先生が障害者治療をお辞めになられたらどれだけ困るのでしょう?車で1時間・2時間かけて別の診てもらえるところに通わないといけなくなりませんか?先生がおっしゃってることは**市や**病院の総意なのでしょうか?インプラントに必要な設備は市から出してもらうのですか?もしそれらの意向と異なり先生ご自身の判断で障害者診療を止めてインプラントをされるのでしたら、最初からインプラントをたくさん行っている医療機関にお勤めになるなり、ご自身で開業されたらいいのでは?」と言ってしまいました。

私は病院歯科にもおりましたし、歯科医療・保健行政にも携わってまいりました。その中で感じたことは、それぞれ社会的に与えられた使命があるということです。
公立病院の使命は地域住民・地域医療のために何をすべきかを最優先にされるべきで、地元のニーズで障害者医療があるわけですから、その点は真剣にやっていただきたいです。
病院歯科の歯科医師の中にも一部には、そういった社会的使命を心得ている方もおられますが、残念なことに大多数の病院歯科医のマインドは全く違います。

以前より、病院歯科に在籍している歯科医師のモラルの話を時折しておりましたが、今回もその一端がにじみ出た格好です。

本当に病院歯科の先生にはしっかりしてほしいです。我々町医者にはできない大きな外科手術はもちろんのこと、全身リスクの高い方の歯科治療、障害者治療における鎮静や全身麻酔の積極導入、耳鼻科や内科など他科との連携が必要な症例、がん患者さんなどの周術期口腔管理、などなど言い出せばきりのないくらい多くの重責があります。

インプラントを大病院でやるメリットは全くありません。材料や設備の導入で小回りが利かない分、開業医でやるほうがはるかにやりやすいです。これは両方を経験した私だから言えることです。こんなインプラントごときの小さなことに浮かれていないで、地域社会はもっと重要なことであなたたち病院歯科医を必要としています。是非、そのことを意気に感じて真剣に取り組める方に病院歯科医として活躍していただきたいものです。

| seiji0024 | 口腔外科 | 07:52 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
粘膜疾患やドライマウスについての対応

京都 下京区 丹波口駅 七条の林歯科診療所では予防歯科を主軸に、多様な歯周病治療マイクロスコープセラミック治療などを取り入れています。

しかしこれだけのものを準備していても、患者さんからよく訴えられる主訴に十分応えられているかというと、よくできていないこともあります。

その代表的なものが、口内炎などの粘膜疾患と口が渇くドライマウスです。
これらの悩みの強い患者さんの対応には今までとても苦慮しており、その結果信頼を失ってしまうことも今までに多々、ございました。

そんな折先日、鶴見大学歯学部の中川洋一先生によるこの粘膜疾患とドライマウスに関するセミナーが行われ、私と歯科衛生士の櫻井の2名で参加してまいりました。

特に粘膜疾患に関しては学生時代によく勉強していたはずなのに、日々の臨床で意識しないがためにかなり忘れていたことが、講演を聴いているうちにどんどん思い出され、われながらの潜在的な記憶に感心していたところです。


| seiji0024 | 口腔外科 | 07:52 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
骨粗しょう症のお薬にご用心
京都・下京区の林歯科診療所では横向きに埋まっている親知らずの抜歯などの小規模な口腔外科処置はほとんど自院で行っております。

しかし最近、とても大きな問題が生じてまいりました。
それは骨粗しょう症の薬を飲んでいらっしゃる方の多くが、抜歯などの口腔外科処置に対して相当、制限が生じてきていることです。

ビスフォストネート製剤という種類の薬で、これを長期服用している方の抜歯を行うと場合によって、歯が植わっていた顎の骨が腐っている現象がおこるリスクが非常に高くなります。

日本医師会・日本薬剤師会から各医療機関・調剤薬局に対して、この骨粗しょう症によく使われるビスフォスフォネート製剤を患者さんに注意喚起するように文書で通知があったはずなのですが、実際の臨床現場ではきちんと指導・注意されていないことが多く、我々歯科医師にとっては現在とても深刻な問題になってしまっています。

実際私もビスフォスフォネート製剤を飲まれているとは全く気づかず、抜歯してしまったことがあります。
その時は偶然、顎の骨が腐らずに済みましたが、確認ができずに処置を行うことは決してほめられることではございません。

というわけで、ビスフォスフォネート製剤の処方・調剤時に患者さんへの情報提供が出来ていないケースも見受けられますので、各医療機関・調剤薬局にはさらなる注意喚起をお願いしたいし、患者さんご自身もこういった情報をご自身で仕入れることによって自己防衛をしていただきたく思います。
| seiji0024 | 口腔外科 | 10:17 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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