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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
復活したエンジンリーマー

当院は近隣の歯科医院と比較して小児の割合が非常に多い特徴があります。

フッ素を使いこなした虫歯予防や早期の矯正治療を行っていることが大きな原因だと思われますが、それだけ小児の虫歯治療を行う回数も増えてきます。

 

日々、小児の虫歯治療を行っていく中で、乳歯の根管治療(神経の治療)の治療成績が芳しくなく、永久歯の交換までに神経の治療をやり直すことが多く、自分の中で技術的な問題での大きな悩みごとの一つでした。

そんな折、小児歯科を長年されている歯科医師の先生から乳歯の根管治療の話を伺う機会があり、そこでエンジンリーマーという器具を使うのがいい、と教えていただきました。

 

我々歯科医師にとってこのエンジンリーマーというものは決して良い印象を持っておりません。

この器具はとにかく根管(歯根の内部)で折れやすいし、根管の構造も破壊しやすいのもで、絶対に使ってはならないものという強い印象があります。

 

しかしよく考えてみると、乳歯の根管は大きな空間があるために内部で折れる可能性はかなり少ないですし、根管の構造も元々根元が歯を支えている骨に向かって完全に開いているので構造が壊れるもなにもありません。

 

そこでこのところこのエンジンリーマーを乳歯の根管治療にのみ限って用いるようになりました。

すると自分でも驚くくらい乳歯の根管治療の治療成績が上がりました。

ただ単純にエンジンリーマーを使ったからだけではなく、乳歯の特性・エンジンリーマーの特性を理解したうえで使いこなしている結果だと思います。

 

改めて過去に捨て去られた方法であっても、それを理解して使えばまんざらでもないことを体験した次第です。

 

| seiji0024 | 小児歯科 | 12:48 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
小児歯科臨床の基礎を一から学ぶ

林歯科診療所は子供の少ない土地柄にしてはかなり小児歯科の割合が高い歯科医院です。

矯正治療を行っていることもありますが、それ以外にも小児に多い外傷を元々得意にしていることや世界中から効果的な材料を集めた虫歯予防などが大きな理由だと思います。

 

小児歯科の中で、矯正治療や予防歯科など個別に習う機会は多くありますが、小児歯科という大きな括りで体系的に学ぶ機会は実は殆どないのが実情です。

 

そんな中、先日私の母校、日本歯科大学生命歯学部の小児歯科学講座による小児歯科全般の研修に参加してまいりました。

主な内容は

・小児の成長発育について

・歯の萌出とその予測について

・小児への接し方

・小児の虫歯予防

・小児の外傷歯と根管治療

 

これだけ盛りだくさんだったので、相当駆け足の研修だったため、普段それなりに私も勉強しているつもりでしたが、講義のペースについて行くのが大変でした。

しかし特に小児への接し方や外傷歯の対応などは、我々歯科医師が卒後にきちんと学べる機会が非常に少ないため、この度の研修はとても私にとって収穫の多いものになりました。

| seiji0024 | 小児歯科 | 17:30 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
根未完成歯への新たな対応

虫歯も歯周病もよくコントロールされているにも関わらず、前歯1本だけ歯が黒ずんでしまっている方を多く見かけます。

これは殆どの場合、子供のころに前歯を強くぶつけてしまい、歯が割れるなどして歯の神経を取らざる得ない状況になってしまったことによるものです。

しかし子供の時期の永久歯の歯根はまだ未完成であることが多く、歯の神経を取ってしまうとその瞬間から未完成だった歯根の成長はストップしてしまいます。

 

そして大人になって歯の神経が無いことによる歯の変色以外に、歯根の長さが短い・歯根の歯質が非常に薄いことで歯根が割れやすくなり、神経の入っていた根管が大きく開いているので歯を支えている骨へ感染しやすくなります。

 

そこで現在はアペキシフィケーションと呼ばれる方法で根未完成歯の根管治療を行っていますが、この方法は顎の骨に向かって大きく開いてしまっている神経の管を塞ぐことは出来ても、歯根の長さや厚さそのものを健全な状態にすることはできません。

その結果、歯根が割れやすくなり歯の寿命を大きく縮める要因となっております。

 

そんな中、近年パルプリバスクラリゼーションという根未完成歯に対する治療法が開発されました。この方法は根管治療を行いながら健全な歯根の発育も促すという方法で、従来のアペキシフィケーションの欠点を補ったものです。

しかし適応症の選択の幅がシビアで治療成績が安定しない、従来法と違う新たな材料を用意しないといけない、保険診療での評価が無いなど、今すぐ根未完成歯に対する根管治療でこのパルプリバスクラリゼーションが主流にはなり得ませんが、この将来性の高い治療法、敏感にアンテナを張って情報収集を続けて行きたいと思います。

 

| seiji0024 | 小児歯科 | 08:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
小児歯科臨床一筋37年の生きざまに触れる

林歯科診療所では多くの小児の方にご来院いただいております。

よく聞かれることで「これだけ小児の患者さんが来院されているのにどうして小児歯科を標榜しないのですか?」という質問があります。

 

実際、当院は”歯科”以外一切標榜しておりません。

その理由の一つがやはり小児歯科臨床一筋に命をかけて取り組んでいらっしゃる先生の存在です。

そんな熱意ある先生方が”小児歯科”を標榜され、私ごときが同じように標榜するのは大変厚かましいと感じているからです。

 

そんな熱意ある先生方の代表格は、やはり兵庫県川西市でご開業の徳永順一郎先生ではないでしょうか?

徳永先生のこの小児歯科一筋に感心して、昨年は地元の歯科医師会の研修に回りを説得して私の独断で講師でお越しいただくことができ、とても嬉しかったことを覚えております。

 

そんな中、今年また徳永先生のご講演を受講する機会があり早速行ってまいりました。

今回は丸一日の研修だったため、非常にボリュームのある研修内容でした。

 

とにかく徳永先生の何がすごいかと申しますと、昭和57年のご開業以来ずっと月に2回も無料の母親教室を実施され、その回数たるや1,500回を突破しています。

 

年に数回、比較的ゆとりのある時にイレギュラーに開催するのであれば私も出来そうですが、どんな状況でも必ず月に2回、何十年も母親教室を続けられているという、小児歯科臨床に対する熱い思いにはただただ尊敬させられます。

 

ご高齢ではありますが、まだまだ第一線の現役でやる気満々の元気な徳永先生の講演を拝聴して、何かはっぱをかけられたような感じがあります。

| seiji0024 | 小児歯科 | 10:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
悩ましい後続永久歯の無い晩期残存乳歯の取り扱い

後続永久歯の歯胚(歯の種)が無い晩期残存乳歯(乳歯が大きくなっても残っているもの)は珍しくなくよく見かけます。

しかしこの取り扱い、とても悩ましいです。

 

好発する場所は決まっています。

だいたい上の前から2番目の歯か、下の前から5番目の歯です。

2番目の前歯の場合、審美的な問題がある一方、咬み合わせや顎機能にさほど大きな影響を及ぼさないことが多いので、抜ける寸前のギリギリまで使って抜けてしまったら入れ歯などで歯を補います。

 

一方、5番目の奥歯の場合、状況が異なります。まず前から5番目の乳歯は永久歯と比較して高さがかなり低いです。そのためそこと咬み合う上の歯が挺出(浮き出して)してきます。その結果、前後的に緩やかなスピー彎曲と呼ばれるなだらかな曲線が、急激な曲線になってしまいます。

すると下顎は上顎に対して後ろに下がる現象を生じやすくなってしまいます。そうなると相対的に出っ歯に見えて矯正治療の対象になってしまったり、顎関節症を引き起こすことがあります。

 

ですから理想的には、下の前から5番目の後続永久歯の無い晩期残存乳歯に関しては咬み合わせが完成する前に抜歯して、大人になるまではその抜いたスペースを保隙装置などで補い、咬み合わせが安定したところでインプラントなどでそのスペースを補うのが理想的だと考えます。

 

しかしこのような論法で私が下の前から5番目の後続永久歯の無い晩期残存乳歯を早くに抜いてしまっていることはありません。

本人や保護者からしてみると、まだ使える歯を早く抜歯して、大人になってから入れ歯やインプラントを入れるということはいくら説明してもとても受け入れがたい治療法だからです。

 

だから昔の私は歯科医師の使命感に燃えて一生懸命説明していましたが、結局受け入れられるどころか金儲けに思われてしまい多くの不信感を持たれてしまいました。

このように辛いことが続いたため、歯科医師の職責としてこれではいけないと感じながらも、最近ではさらっと流す程度の説明しかしなくなりました。

 

ですからこのように下の前から5番目の後続永久歯の無い晩期残存乳歯を持った子供を新たに見るときはいつも心苦しく感じている今日この頃です。

| seiji0024 | 小児歯科 | 08:21 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
出生から嚥下・咀嚼機能の発達を考察する

唐突ですが、小児歯科の問題ほどこの数十年で大きなパラダイムシフトが起こったと言っても過言でないと思います。
昭和50年代までは”虫歯の洪水”と言われ、どの歯科医院でも待合室に小児の患者さんがあふれておりました。
私は当時、父の歯科医院でその光景をよく目にしており、父が怒涛のように数多くの小児患者さんの虫歯治療をして、歯を削る時の独特のにおいがいつも充満していたのを思い出します。

しかし時が変わり、今では小児の虫歯は劇的に減りました。
では我々歯科医師が小児に対しての仕事が激減したかと言えばそれは全く違います。

不正な咬み合わせ・歯並びは逆に激増しております。
小児の矯正治療、予防矯正とか咬合誘導とか言われたりしますが、そのケースは非常に多くなりました。

しかし何故、歯並び・咬み合わせが悪くなるのでしょう?
確かに遺伝的な要因もございますが、最も大きな因子が嚥下や咀嚼などの機能がアンバランスなことです。

そこで先日、子どもの嚥下や咀嚼の発育に関して茨城県でご開業の石田房枝先生と佐賀県でご開業の増田純一先生による講演を聞いてまいりました。
さすがお二方とも何十年にもわたって地域の小児歯科を支えてこられた大御所だけあってさすがに一言一言がとても重みのある内容でした。
こういった内容を受講するといつも感じるのが、出来れば出生直後から定期的に子どもを診察出来れば、と思わされます。

| seiji0024 | 小児歯科 | 20:11 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
今後ますます必要とされる小児在宅歯科医療

京都府歯科医師会では通院困難な高齢者の方を想定して訪問診療の相談窓口かねてより設けておりますが、最近少し違った依頼の傾向を認めるようになりました。
それは高齢者の訪問診療では無く、小児難病の訪問診療の依頼です。

この小児難病の依頼が以前は皆無と言っても過言ではありませんでしたが、最近はちらほら見かけるようになりました。
この現象を私なりに考えると、偶然小児難病の方に歯科医師会の相談窓口が広まったとは考えにくく、在宅で難病を抱えながら闘病を余儀なくされる小児が増えているのではないかと、考えます。
しかし多くの地域医療現場において、小児難病の在宅での歯科医療を行う受け皿はほとんど整備できておりません。

そんな中、先日京都府内の他の地区歯科医師会の幾つかが合同で開催された小児難病についての研修会に居候しに行ってきました。
講師には京都府立医医科大学小児科学教室の瑞木匡先生にお越しいただきました。
そこでは実際に小児難病患者さんを診察する上で、少し気に留めておけばいいことと、絶対に細心の注意を払わないといけないことが系統だってわかりやすく説明されました。
また診察前のチェックポイントも明確に示されました。

自分自身、まだ勉強不足で十分小児難病患者さんと接することが出来ておりませんが、地域歯科医療を担う者の責務として、今後もっとこの分野も勉強して困っておられる小児難病患者さんのお役にたてれば、と感じております。
 

| seiji0024 | 小児歯科 | 06:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
教職員向けの研修を行いました

私は現在、地元の京都市立梅小路小学校の学校歯科医の任に就いております。

歯科医師会(学校歯科医会)や教育委員会の流れでは、年2回行われる学校歯科検診と学校保健委員会、それに年1回行われる就学時検診、年2回の歯みがき教室、合わせて7回学校に行くことになっております。

 

しかし学校歯科医に就任して以来、これだけで児童の歯の健康を守るのには不十分だとずっと思っておりました。

そんな中、学校側と協議を行い教職員向けの歯科に関する研修会を行うことになり、先日その研修会に講師として行って参りました。

 

あれもこれも入れこんでしまうと吸収しきれませんし頂いた時間も限られておりましたので、今回は「歯科と児童虐待」、それから「フッ化物洗口」に絞って行いました。

 

まず歯の状態から児童虐待、それもネグレクトについてある程度スクリーニングできる可能性がある、と言うことに教職員の方から大きな反響がありました。

ただしこういった内容を講義すると、虫歯が多いだけで虐待だと疑われるなどの誤った偏見も生じる恐れがあるため、そのような事の無いようになるめく偏りなくニュートラルな立場で慎重に話しを進めました。

 

フッ化物洗口について、もうこれの有益性を否定する人は居ないと思いますが、肝心要の教職員の方々に対してはきちんと理解されているとは言えない状態がずっと続いております。そこで主にフッ化物利用の安全性について、一般常識と比較しながら説明しました。

 

どうしても教職員は人事異動で毎年入れ替わりがあるため、学校全体での理解を深めていくためにはこういった職員研修を今回だけで終わらさず、継続して行っていくことが必要だと思います。

| seiji0024 | 小児歯科 | 08:10 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
街の臨床家としての小児歯科の実際

林歯科診療所は下京区の西部にあります。また同じ京都市の中京区・右京区・南区とは比較的狭いエリアで隣接しており、そちらからも多くの方にご来院いただいております。
その中でも特に、当院では小児歯科の割合が非常に高いです。この地域は高齢化率の高い地域なのですが、実際に来院される方々の年齢層とは一致しません。
実際、何軒も他の歯科医院を飛ばして当院にご来院いただいている方がたくさんいらっしゃいますが、小児では成人と比べてその比率がさらに高くなっております。

そんな折、地域に根付いた小児歯科臨床を提供されている福岡県でご開業の椿山園美先生による実際の身近な小児歯科臨床に関する研修会に福岡まで行ってまいりました。
椿山先生は特に大学の小児歯科講座などに残られたわけではなく、卒業から一貫して小児歯科専門の歯科医院にご勤務されたのち、ご自身で小児歯科の医院をご開業されている中で、小児のみならずその家族の成人も多く診られている典型的な実践的な小児歯科医院を営んでいらっしゃいます。

そこには長年培われた工夫とノウハウにあふれていてとても参考になりました。
特に当院では非常に難しいケースの矯正治療も行っている関係上、小児の比率はますます上昇傾向にあります。
そんな中で、今回学んだことも早速日々の臨床に生かしていきたいと思うところです。

| seiji0024 | 小児歯科 | 07:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
小児歯科一筋45年以上の臨床に触れる
林歯科診療所では下京区のみならず、隣接する中京区・右京区・南区・東山区をはじめ、遠方から多くのお子様にご来院いただいております。
小児の治療に際しては、子ども自身へのコミュニケーションのみならず保護者と上手くコミュニケーションを取らなくてはなりません。
特に小児の場合、ただ漠然とその瞬間起きている虫歯などの問題を治すだけでなく、将来の健全な育成をしていくための取り組みがとても大切になります。
そのためには小児の特性にあった虫歯予防が必要です。
また健全な歯並び・咬み合わせを育成するために、トレーニングを重視した予防矯正も必要になっていきます。
そんな内容を今回、下京歯科医師会で研修を行いました。以前から機会があれば是非、講師にお越しいただけたらと、ずっと思い続けていただけに私自身、とても喜びを感じながら準備を進めていたところでした。
講師の先生は、兵庫県でご開業の徳永順一郎先生で、小児歯科臨床一筋45年以上のキャリアを持たれ、その間ずっと熱い思いで臨床に携われるとともに、多くの歯科医師も育ててこられた先生です。
この度の徳永先生のご講演では小児歯科医としての熱い思いからもう1500回以上開催されている患者教室や、川西市学校給食など食育への関わりなど、どれも一言では言い尽くせない長年の熱意と努力の賜物が紹介されました。
当院は矯正を行っていることもあって小児歯科の比率が一般的な歯科医院と比較してかなり高い状態です。
この講演で吸収した徳永先生の臨床を少しでも明日の自分の臨床に生かしていきたいと強く思うところです。







 
| seiji0024 | 小児歯科 | 10:27 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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