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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
変わったニッケルチタンファイル

歯の神経の治療のことを根管治療と言います。この根管治療、ファイルと呼ばれる金属製のやすりで神経の管の壁を掃除しながら削っていきます。

主流は今でも昔からずっと使われているステンレス製ですが、非常に柔軟性のあるニッケルチタン製のファイルが登場し、徐々に臨床現場に浸透していきました。

 

このニッケルチタンという材質は柔軟性に富む反面、折れやすく切れ味も良くありません。

そのため多くはモーターで回転させながら使います。

さらに最近の製品は作業効率をアップさせるため、使用するニッケルチタンファイルの本数が少なくて済むような流れになっております。

 

そんな中、私は以前作業効率アップと逆行するニッケルチタン製のファイルを使用しておりました。

ライトスピードと呼ばれる製品で多くの使用本数を必要とするシステムです。

しかも通常のニッケルチタン製のファイルと違いかなり高速で回転させて使うため、このためだけに専用の機器が必要になります。

 

こんな欠点がありますが、このライトスピードは他のシステムには無い圧倒的な利点があります。

 

非常に柔軟性が高く通常のニッケルチタン製ファイルでも困難な彎曲した根管でも使える。

万が一、根管内で折れてしまってもこのライトスピードは折れた破片を簡単に取り除くことができる。

 

この代え難い利点のためにかつては使っていたのですが国内代理店が取り扱いを止めてしまったために入手出来なくなってしまい、使うのを止めてしまいました。

 

しかしどうしてもかつて使っていたライトスピードが忘れられず、ついに個人輸入してアメリカよりこのライトスピードを個人的に取り寄せました。

 

そのため非常にコストも時間もかかってしまうため、通常の根管治療ではなかなか導入が厳しいですが、マイクロスコープなどを駆使した特殊な根管治療でのみの使用になりますが、今後末永くまた使っていきたいと思うところです。

| seiji0024 | むし歯治療 | 12:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
マイクロスコープ臨床の基礎から様々な応用を学ぶ
林歯科診療所では平成20年の開院以来、特に根管治療(神経の治療)においてマイクロスコープを保険外診療において用いております。
以前はこのマイクロスコープ治療、ずいぶんスキルアップのための研修に出かけたものですが、ここ数年はあまりその機会に恵まれませんでした。
そんな中、日本歯科大学の卒後研修コースで、今年度新潟でマイクロスコープ診療に関する研修が丸二日間企画され、いち早く申し込み致しました。
前半は私が今まであまりマイクロスコープを使ってこなかった、ダイレクトボンドセラミック治療への応用で講師には日本歯科大学新潟総合診療科准教授の菅原佳宏先生が務められ、後半は今まで私が行ってきているマイクロスコープを用いた根管治療について日本歯科大学新潟保存学教室教授の五十嵐勝先生が務められました。同じ日本歯科大学でも私は東京校の出身なので、新潟校の両先生については面識がございませんでしたが、お二方とも最先端の臨床をされておりとても刺激になりました。
新潟までの研修につき、診察をずいぶん休ませていただいた結果、多くの皆様にご迷惑をおかけいたしましたが、その分に見合う実力は身につけられたのではないかな、と思っております。
| seiji0024 | むし歯治療 | 07:10 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
10年ぶりに変更した根管治療システム
神経まで進行してしまった虫歯に対しては神経の治療、根管治療が必要になります。
この根管治療、まっすぐの根管なら複雑なシステムは必要ありません。
しかし奥歯は根管が何本もあるとともに、その根管が大きく曲がっています。
この曲がった根管を治療するのは旧来よりあるステンレス製の器具だけでは非常に難しく、時間もかかってしまいます。

そのため私は以前よりニッケルチタン製の器具を使ってきました。
いろいろ試した結果、デンツプライ社製のプロテーパーという器具に出会い、その柔軟さに感動し長年使ってきました。
その後、新製品がいくつも登場し相当試しました。
しかしその多くは満足した結果が得られず、結局採用には至りませんでした。

そんなことを10年以上続けながらずっとプロテーパーを使い続けていましたが、最近ついにプロテーパーから新しいシステムに変更しました。全く同じ開発者であるプロテーパーNEXTという商品にガラッと変えました。
これには非常に満足しています。
ただ元々プロテーパーはとても高価な器具だったのに、プロテーパーNEXTになってさらに高価になってしまいました。

しかし治療成績と治療時間には代えられず、もう前のプロテーパーには戻れないくらい気に入って使っています。
ニッケルチタンファイルの導入をお考えの歯科医師の先生、値段はとても高いですがこの快適な使用感はお勧めですよ。
| seiji0024 | むし歯治療 | 09:40 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ダイレクトボンド・ダイレクトベニアの研修に行ってまいりました
当院ではかねてより保険外のレジン治療、ダイレクトボンドを行ってきました。
色調豊かな材料で詰め研磨も凝った構成で行いますので、保険診療のレジン治療より美しく仕上がります。
しかし今まで私自身が持ちあわしている方法だととにかく詰めるのに時間がかかってしまって、ちょっと私自身腰が引けておりました。

そんな中、長年お世話になっている静岡県・東京都でご開業の川邊研次先生に、ダイレクトボンド治療で長年使われているグラディアという材料を使ったセミナーに参加してまいりました。
このセミナー、丸二日間あったわけですが、とにかく一日中詰めまくりの連続で歯学部の学生だったときから見てもこんなに大量に実習を行ったのは初めてでした。
おかげで使用したグラディアの量は半端ではありません。
また驚いたのはそれだけではありません。メーカーが出している治療ガイドとは全然違うステップで、この材質を熟知した川邊先生のノウハウが満載でとても実戦的でした。
しかし何より驚いたのが、私含めた受講生全員が2分30秒で詰め終わらなければいつまでたってもやり直し、という状況で出来るまで何度もやり直しを行いました。
最初、この2分30秒の意味があまりよくわからなかったのですが、結局模型上でこの時間で終わるくらい短時間で済まさないと、実際の臨床ではもっと時間がかかってしまい、とても臨床では使いものにならなくなってしまうからです。

このように今回の研修は非常に実用的でした。早速この研修で得た成果を既に当院の臨床に取り入れているところです。

 
| seiji0024 | むし歯治療 | 08:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
急に続々と登場して混乱していたCAD/CAMの整理
今年、急に我々歯科業界で流行りだした治療があります。
それはCAD/CAMと呼ばれる技術です。この技術は歯型をデジタル立体画像として読み込み、コンピューター上で設計を行い、その設計に基づいて材料のブロックを機械で自動的に削りだして、かぶせ物や詰め物を作りだす技術です。
実はこのCAD/CAM自体はずいぶん前より実用化され、その後何度も改良を重ねて既に確立した技術になっているものです。
しかし何故、こんな急に流行りだした理由は、この4月から一部、保険導入されたことが大きいです。
国の医療費抑制政策で、診療報酬はずっと抑制が続いていますが、その中にあってこのCAD/CAMについた診療報酬は非常に大きく、そこに全国に歯科医師が飛びついた情況になったためです。
しかしそうなると、さすが日本は資本主義国家だけあって売れるとわかると各社からCAD/CAMに使う材料が続々と発売されるようになりました。
しかし我々ユーザーサイドから見ると、あまりに早いペースでの新製品ラッシュで今一つその商品の違いや特徴を理解できずにおりました。
そんな中、長年歯科用CAD/CAMを研究されている大阪大学の中村隆志先生のご講演を聞いてまいりました。
この講演で、私のように混乱しているユーザーがきちんと整理できるように、新しく出た製品をもれなく紹介していただけました。
当院ではまだ本格的には導入しきれてないCAD/CAM、いずれはかぶせ物治療の主流になることは間違いない技術になるでしょうから、常に新しい情報に対するセンサーだけは張っておかねばついていけなくなってしまいそうです。
| seiji0024 | むし歯治療 | 12:40 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
疾病構造の変化と逆行しているCAD/CAMの保険導入
昨今、歯科医院での治療内容はずいぶん様変わりし、以前なら一日中虫歯の治療で歯を削り続けておりましたが、この数年の間で歯を削る頻度は急激に減りました。
一番の理由は、当院ではほぼ全員の方が定期的にメインテナンスにお越しいただいておりますので、もともと口腔管理が行き届いている上に、仮に虫歯があればおおごとになる前に治療してしまっているからです。
一方、今回の診療報酬改定に当たってCAD/CAMというものが部分的に導入されました。
歯型を採った模型をレーザー光でスキャニングし、コンピューター上で立体構造を設計して、白くて硬い樹脂を機械で自動的に削りだしてかぶせ物を製作するという技術です。
今までは一部の限られた医療機関で高度先進医療として混合診療(保険診療と保険外診療を併用)で行われていたものが、保険診療で通常に行えるようになったわけです。
ところでこの4月の保険改正では実質診療報酬の引き下げになりました。ところがその中にあってこのCAD/CAMの診療報酬はかなり高い設定になりました。すなわち歯医者さんが儲かる設定になっているわけです。
こういう診療報酬が出ると必ずそれに群がる歯医者が出てくるのはいつものことで、このたびのCAD/CAMについてもまさしくその通りです。
しかしこのCAD/CAM、これを行うためには大量の歯の切削を伴います。もう歯を削りまくる時代は終わり、そういう治療しかできない歯科医師は方向転換していただかなくてはならないのに、こんなある意味歯医者にとって削れば削るほど儲かる診療報酬を作ってしまったことは時代錯誤も甚だしいと感じております。
もう大量に歯を削る時代は終わったのです。そのことを我々歯科医師は十分認識しなくてはなりません。
ちなみに当院では1年に数回程度しかCAD/CAMになるようなケースはありませんから、最初からこの治療の届出を行っておりません。そのうちごく稀にケースが出るでしょうから、その時初めて届出をしようと思います。
保険診療は国民の限られた貴重な社会保障費も使うわけですから、もう少し国民が幸せになるような内容に診療報酬を振り分けていただきたいものです。
| seiji0024 | むし歯治療 | 08:05 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
我々がちょっと考えなくてはならない歯痛の診断
新患さんで歯痛が主訴の方は非常に頻度が高いですが、この歯痛について以前より診断が非常に難しいと思っておりました。
皆さま、歯痛と言うとすぐに虫歯を想像されると思うのですが、多くの方が思っていらっしゃるほど歯痛の原因として虫歯であることは多くありません。
歯が原因であることとしては虫歯以外にも歯周病・知覚過敏・歯ぎしり・歯の亀裂・破折などがあります。
また歯が痛いのにその原因が歯ではないこともあります。
たとえば三叉神経痛など神経そのものに異常がある場合。
また歯の知覚を伝達する三叉神経そのものは異常が無くとも、脳の中で誤って歯の痛みを感じてしまうケース。
さらに精神的な疾患によって歯痛と言う症状に表れてしまうケース。
これら歯痛の原因は様々で、その原因によって当然治療法は変えていかねばなりません。
先日、このような内容について体系立った講演を歯科医師会で九州歯科大学の椎葉俊司先生にしていただきました。
講演終了後、椎葉先生とお話しさせていただく機会をいただいたのですが、私が研究室時代に関わっていた神経痛の研究を椎葉先生が長年取り組まれ、その話を聞かせていただく中で昔の研究生活を思い出して懐かしく感じました。
同時に自分自身、せっかく若いころにこういった多くの歯科医師の肌色とは違う研究生活を送っていた経験があるので、もっとそれを生かした歯科臨床を提供していかねばもったいないとも感じたところです。

 
| seiji0024 | むし歯治療 | 07:55 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
繊細な押さえどころが必要な3Mix-MP療法
林歯科診療所では極力歯髄を保存するため、非常に深い虫歯に対して抗菌性材料のドックベストセメントや殺菌作用のあるオゾンを発生させるヒールオゾンなどを用いております。

これも以前に他の方法で上手くいかなかった私の臨床の歴史がそうさせているわけですが、その中でも3Mix-MP療法は上手くいかない方法の代表例でした。
この3Mix-MP療法、今までに研修を受けたり文献で勉強したうえで行っていたのですが、正直失敗することが圧倒的に多く一度あきらめた方法でした。
そんな中、月に1回通っている矯正治療の勉強会で一緒の方からこの3Mix-MP療法の密度の濃い研修を強く勧められました。
それでも私は最初は乗り気ではなかったのですが、この研修自体が非常にグレードアップしステップアップのため複数回の密度の濃いメニューになっていることをお聞きして、重い腰をようやく上げて先日参加してまいりました。

講師の先生は3Mix-MP療法の考案者である宮城県でご開業の宅重豊彦先生で、かなりみっちりと教えていただきました。その中には、細かな言葉ではなかなか表現しづらいちょっとしたコツ・勘どころが数多く存在し、受講してみて初めてこのコースを受けなければ上手くいくはずがないな、と強く感じました。

現在当院ではドックベストセメントやヒールオゾンを用いてそれなりの結果を残しているので、この3Mix-MP療法を臨床で導入するかどうかはもう少し思案してから決めたいと思っております。
| seiji0024 | むし歯治療 | 13:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
とても便利だけれど注意も必要な1ステップアドヒーシブ
現在、最も多く行われている虫歯治療はコンポジットレジンという材質を光で固めて詰める方法だと思われます。
このコンポジットレジン、私が学生だったころから比較すると飛躍的に材料が進歩し、私自身も非常に多く使っております。
このコンポジットレジンはそのままでは歯の表面に接着しません。ボンディング剤というもので接着作業が必要になります。
この接着操作、今まで2段階に液体を塗布して処理を行わなければならなかったものが、最近は1回の塗布でできるようになりました。
一見、2回が1回になったら簡単になったと思ってしまいがちですが実はそんなことはありません。2回で行うべきところを1回で済ますわけですからかえって操作上のエラーが出やすくなってしまいました。特に商品によって溶媒が異なることによって使い勝手が大きく変わってきます。
しかしこういったことをわかって使えばやはり歯科医師にとってはとても便利です。

この1ステップの接着剤、誤った使われ方をされていることも時折見かけますので、たかがボンディングと思わずに新しいシステムを導入される際は、そのシステムに即した研修に参加した上で歯科医師はこういったものを使うべきだと思います。
 
| seiji0024 | むし歯治療 | 17:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
初期虫歯も経過観察しないで積極介入
成人の虫歯で最もよくできる個所は歯と歯の間です。しかしこの個所の虫歯、象牙質に達する大きなものなら削って詰めていましたが、エナメル質の範疇にとどまっている程度の虫歯の場合、今まで私は削らず経過観察で済ましておりました。
この経過観察に済ましているにはいくつか理由がございます。
1つ目はエナメル質にとどまっている限りは早いスピードで進行しにくい。
2つ目は削って詰めようとしても、虫歯の大きさよりはるかに多くの歯を削らないと治療ができない。
3つ目は最小限に小さく削って詰めても、接着面積が確保できずすぐ取れてしまう。
こんな理由でいづれ象牙質に達するようになってから治療を行っておりましたが、悪い言い方をするとそれまで放置していることにもなります。

しかし最近、ドイツで初期虫歯に対して積極的に治療を行うシステムが登場しました。
それはICONという材料でして、強酸で一度溶けかけている歯を柔らかくして、そこに浸透性の高い樹脂を流し込んで歯をカチカチにさせるものです。
このICONを活用して初期虫歯に対して積極的に介入するシステムについて、千葉県でご開業の杉山精一先生の研修で早速学んでまいりました。

当院の高濃度フッ素を用いた虫歯予防と組み合わせると非常に強力な虫歯予防・早期治療が一貫してできるシステムであると確信しました。
その一方、この方法。非常に手間がかかり、材料もとても高額で元々保険適応されません。
自費でいただくにもそれなりにいただかないととても採算が合わない方法で、この素晴らしい技術の価値を患者さんにわかっていただけるかどうかが、導入するかどうか大きな分かれ目となってとても悩まし状況です。
 
| seiji0024 | むし歯治療 | 20:05 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
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