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林歯科診療所

京都の歯医者林歯科診療所 院長日記
歯科医療とフレイル

昨年ごろから様々なところで”フレイル”という用語を耳にします。

この”フレイル”は直訳すると”虚弱”で、要介護になる一歩手前の状態をさします。

この度、このフレイルと歯科についての研修企画が新潟であったので、遠路はるばる行って参りました。

 

以前にこのブログでもフレイルについて書かせていただきましたが、今回3名の先生がご講演されました。

最初に2名は東京大学教授の飯島勝矢先生と東京都健康長寿医療センター部長の平野浩彦先生で、ちょうどこのお二方によるフレイルの研修を受講し、そのおさらいを私自身、今回の研修で行いました。

 

最後は日本歯科大学教授の菊谷武先生のご講演で、私自身菊谷先生の講演は数年ぶりに聞かせていただきました。

高齢者歯科全般をご専門の中でも、特に咀しゃく障害にはかなり力を入れておられ、数年前に拝聴した内容よりさらに情報の蓄積と体系の整理がされてとても素晴らしいプレゼンテーションを聞かせていただきました。

 

私自身、地域医療の一端を預かる身としては、一人でも多くの高齢者の方が要介護になることを防ぐ、もしくは遅らせることが出来るよう励みたいと考えます。

| seiji0024 | 訪問診療 | 15:16 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
超高齢化時代に向けた歯科医療

日本は世界的に見ても非常に短期間で超高齢化社会に到達した国です。

その結果、高齢化社会に向けた国民意識がなかなか付いてこず、社会資本もまだまだ不十分な状況です。

 

しかしこんな背景がありながらも高齢者が増える現象はこの数十年変わらずに必ず生じることであるため、我々歯科医師も高齢者の対応が適切に出来なければ”かかりつけ医”として十分な役割を果たしたとは言えません。

 

そんな折、高齢者歯科医療をご専門にされておられる藤田保健衛生大学歯科 教授の松尾浩一郎先生による高齢者歯科医療に必要な基礎知識についての講演を聴講してまいりました。

 

まず死因の三大疾病、がん・心疾患・脳卒中の患者さんへの対応についての内容が紹介され、後半は口腔ケアや嚥下障害の内容が話されました。

 

今回の講演では内容が非常に多岐にわたったので非常に講義のペースが速くついていくのが大変でしたが、日頃からそれなりに勉強してきているおかげでしっかり吸収することができました。

 

今後ますます高齢者への診療機会は増加していきますので、これから益々高齢者に対する研鑽を積んでいく所存です。

 

| seiji0024 | 訪問診療 | 07:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
流行りそうな用語、”フレイル”

歯科医師会の会報など我々が目にする出版物であらゆる機会で最近”フレイル”という用語をよく目にします。

そして最近では一般向けの健康情報コラムなどにもこの”フレイル”という用語を目にするようになりました。

 

このフレイル、日本語に直訳するとおそらく”虚弱”という訳が最も適切だろうと思います。

このフレイルと言う用語が我々歯科領域でもよく用いられ、”オーラルフレイル”と呼んでおります。

 

今回、このオーラルフレイルの概念について学ぶため、フレイルという用語を言い出されこの世に最初に広められた東京大学の飯島勝矢先生と、このフレイルをオーラルフレイルとして歯科領域で広く普及啓発されている東京都健康長寿医療センターの平野浩彦先生による研修会に参加してまいりました。

 

飯島先生のご講演によると、健康な状態と要介護の状態の間にはフレイルのステージがあり、要介護になっていくには健康な状態からいきなり要介護になることは少なく、多くはフレイルの状態を経て要介護になります。そして健康とフレイルの間は良くも悪くも行ったり来たりしやすいけれど、フレイルと要介護の間は悪くはなりやすいけれど良くはとてもなり難いとのことでした。

そのため、フレイルの状態方を支援して要介護にさせない社会的仕組みがとても求められるとのことでした。

 

次いで平野先生のご講演ではフレイルから要介護の程度によって、国民的啓発運動から地域保健活動、地域のかかりつけ歯科医による対応、さらに高齢者医療の専門知識を持った歯科医まで、円滑に流れる社会的仕組みが求められます。またオーラルフレイルは虫歯歯周病歯の欠損といった歯科局所疾患のみならず、咀嚼障害や摂食・嚥下障害などを体系的に診ていくことが求められます。

 

私も今後は微力ながら要介護になる前のフレイルの状態の方々に対して適切に接していき、少しでも要介護にならなくて済むようにしていきたいものです。

| seiji0024 | 訪問診療 | 06:18 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
訪問診療専門の実態を学ぶ

私は開院してから一貫して訪問診療をコツコツと続けておりますが、主に外来診療を行って、昼休みや診療後を利用して訪問診療を行ってきております。

元々自身の開業前のキャリアでは高齢者医療に深く携わっておりましたので、今でも高齢者医療に対するモチベーションは高く維持しておりますが、それとは裏腹でどういうわけか当院では殆どの外来患者さんが小児か現役世代で、高齢者の比率がとても少ないのが現状です。

 

そんな中、先日訪問診療を専門として福岡県で開業されている河内太吉先生の、実践的な訪問歯科診療についての研修に参加してまいりました。

 

さすが逃げ道のない訪問診療専門でのご開業だけあって、実際の診療を行う前準備から実際の診療、その後の事後処理まで細かな気遣いがとても多く散りばめられており、もっと気配りが必要なんだと思い知らされました。

 

この訪問診療、私はいくら外来患者さんが増えたとしても自分自身の身体が続く限り続けていくつもりでやっておりますので、相談事がございましたら気軽にお問い合わせください。

| seiji0024 | 訪問診療 | 09:41 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
認知症を地域で支えるには

20世紀は人口増加の世紀でありましたが、21世紀は高齢化の世紀であると言っても過言でありません。

特にこの数年で大都市圏でも急激に75歳以上の高齢者が激増する人口分布になっております。

それに合わせて認知症患者数も急増していくわけですが、その認知症を十分支えられるだけの社会資本が整備されているかと言えば、不十分極まりないのが現状です。

 

そんな折、いつも大変お世話になっている地元の下京西部医師会様が主催される認知症の勉強会に誘っていただき、先日そのお誘いに乗じて聴講してまいりました。

 

講師には東京都でご開業の高瀬義昌先生で、現在東京都大田区で主に認知症患者さんの在宅医療をメインに活動されております。

高瀬先生は冒頭に認知症の3つの定義を挙げられました。

 

すなわち認知症とは

・認知機能が徐々に低下していく

・不可逆的な変化である(元の状態に治らない)

・日常生活・社会生活に支障をきたす

 

また在宅での認知症ケアを円滑に進めるための要件として

・患者さんに関わるスタッフ全てが認知症の知識を深める

・病診連携を深める

・多職種連携・協働

 

これらが挙げられました

 

そして何より認知症に対して我々専門家が向き合うには、

アリの目でチームワークを考え、

トリの目でフットワークを使い、

サカナの目でネットワークを構築する

視点が大切であるとくくられました。

 

私も年々,認知症の方を受け持つ機会が増えてきております。今回の高瀬先生の考え方を参考にしていきたいと思います。

| seiji0024 | 訪問診療 | 09:24 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
学生時代に最も訳がわからなかったスピーチエイド
歯学部で6年間、学生生活を送りました。この6年間を振り返ると自画自賛するつもりはありませんが、とても歯科医学が面白く感じ他の学生と比較してよく勉強したと思います。
しかし学生時代にさっぱり理解できず疑問が何も解けないままで卒業してしまった事柄がいくつかあります。
その代表例がスピーチエイドと呼ばれる装置です。

この装置、鼻咽腔閉鎖不全に用いるオーダーメイドの器具です。この鼻咽腔閉鎖不全とは口と鼻とが上手く閉鎖できずに筒抜けの状態のことを言います。古くから唇顎口蓋裂という生まれつきの疾患を患われている方に多く用いられておりましたが、実際の臨床で我々が唇顎口蓋裂の方々の診察を行う機会はほとんど無く、実戦的知識を学べる環境にありません。

ところが昨今の高齢化社会の背景には何か健康上の障害やリスクを抱えながら年を重ねられる高齢者が急増しています。その中にこの鼻咽腔閉鎖不全になってしまっている方々は少なくありません。
今まで唇顎口蓋裂などの患者さんは専門の施設でかかられていましたが、高齢者の場合、我々地域の医療機関がきちんと対応できることが望まれております。
しかし先ほどお話ししたようにこの鼻咽腔閉鎖不全に関して学ぶ機会が全くありませんでした。

そんな中、大阪大学を退職され現在ではご自身で摂食嚥下に関するスタディーグループを立ち上げられた舘村卓先生が、この鼻咽腔閉鎖不全に用いる装置の実習を行われていると言うのを知り、先日行ってまいりました。
とにかく足掛け20年以上にわたって疑問に感じていた事柄が、次々と論理的に理解できためになったのみならず、爽快な気分になりました。
これからしばらく舘村先生に摂食嚥下に関することを続けて学んでいこうと思っているところです。
 
| seiji0024 | 訪問診療 | 11:22 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
在宅医療を支えるチーム作り
林歯科診療所では開院以来、ずっと訪問診療を行っております。
これも私自身、開業する前は高齢者医療をメインに行ってきた経緯があるためです。
しかしずっと訪問診療をやっていて本当に地域に貢献できているのだろうか?、というモヤモヤした疑問を常に抱えながらやっている自分自身に対して不甲斐なく感じているところです。
そんな中、先日東京都でご開業の五島朋幸先生と管理栄養士として神奈川県で地域に連携して活動されている江頭文江先生の、在宅医療に関わる研修会に参加してまいりました。
特に五島先生は私の大学の4年先輩ですが、学生のころから大学の先生や先輩・後輩からも絶対的な信頼を得られていたのをかれこれ25年ほど前のことですがよく覚えております。
ご講演を拝聴して、そんなイメージ以上に現在ではさらに幅広くご活躍されているのがひしひしと伝わりました。
江頭先生は管理栄養士として様々な職種の方々とシームレスな連携を行っているPEACH厚木という団体までたち上げられておられます。
このようにお二方とも共通していたのが、縦ではなく横のつながりで地域でチーム医療が実践できるための有能な仲間との強固なネットワークを作られていることでした。
かつて私は地域でネットワークを作ろうとして結局相手にされずにそのまま引き下がってしまった情けない経験を持っています。
でもこういった話を耳にすると、それしきのことでくじけてはいけないんだな、と考えさせられるところです。
| seiji0024 | 訪問診療 | 07:59 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
もっと社会で支えなければならない認知症介護
当院では開設以来、ずっと訪問診療を行っております。
そもそも訪問診療とは通院が困難な方を対象に我々が出向いて行うものですが、通院困難の中身には多くの理由があります。
たとえば完全に寝たきりの方、この場合は当然動けないわけですから訪問診療による対応となります。
しかし、ある程度自由に歩行が出来ても訪問診療の対象となることも少なくありません。その最も多い理由が認知症です。認知症によって歩くことは出来ても、たどり着けない、異常行動で交通事故の危険性があるなどで、とても通院できずに訪問診療になることがあります。

こういった認知症ケースの訪問診療は非常に困難を極めます。体力的にはそこそこ正常レベルに近いわけですから一見元気で力もあります。しかし認知症によって感情の抑制が利かなくなってしまっていると、我慢するということが出来なくなります。
しかし元来、歯科治療とは多少の我慢をしていただかなければほとんど出来ないのが現状です。
ですから私自身、認知症の方の治療でゲンコツパンチを食らったことは幾度もあります。

ただ私はごくたまに診察に出向いてこういう場面に遭遇するだけなので、あまり大したことありません。
問題は年がら年中介護をされている同居のご家族です。
着替え・入浴など多少の我慢が必要となる生活動作は数多くある中で、それら全てを介助するだけでも大変なのに度々、ゲンコツパンチが飛んでくるのです。
どのお家でもこのような認知症の介護を抱えているご家族の精神状態はすごく追い込まれています。
介護保険の利用でもこのご負担を劇的に軽くするまでには至っていません。

これからますます日本は高齢化社会を向かえ、このような事例も急増していくはずです。先日、高度先進医療の現場を安倍総理大臣が見学されて感銘を受けられていましたが、こんな一部の金持ちしか受けられないような治療に重点を置く前に、このような全国いたるところで生じている壮絶な医療・介護の現場を是非直接ご覧いただいたうえで、社会問題化している認知症対策にもっと真剣に取り組んでいただきたいところです。
| seiji0024 | 訪問診療 | 08:11 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
訪問診療に使うモーター

私は現在の地で開業して5年を経過しましたが、開院以来訪問診療を細々と続けております。
自分なりに一生懸命続けた結果、近隣の総合病院1件・グループホーム1件・介護支援事業所1件から熱く信頼をいただいて、訪問診療のご依頼をいただいております。

この5年間、訪問診療で持ち歩いている携帯用モーターですが、先代が使っていたものの状態が新く そのまま私が使っておりました。
しかし使用頻度が高く、その分傷みだしてきて修理に出す間隔が短くなってきました。
さすがにこの携帯用モーターがないと訪問診療を行うにはとても困ります。

そこで先日、ついに新しい携帯用モーターを購入いたしました。先代から使っている製品と同じ会社の物ですが、さすがに時代の流れを感じさせます。
ニッケル水素電池からリチウムイオン電池に変わったのと、モーターそのものが高トルク化され、携帯用とは思えない力強さで削ることができます。
そのおかげで訪問診療に費やす診察時間が少しだけ短縮できるようになりました。

訪問診療は依頼された患者さんやその家族のためはもちろんのこと、ご紹介いただいた病院や介護事業所のスタッフの方の信頼など、多くの方々を思いを背負って行っています。
今後も、このようにいいと思ったものは積極的に導入する姿勢を取り続けていきたいものです。

| seiji0024 | 訪問診療 | 16:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
在宅医療で求められる質の高い口腔ケア

京都・下京区・丹波口駅の林歯科診療所では開院以来、訪問診療を行っております。
最近、外来患者数が増加して訪問診療にエネルギーを注ぎにくくなっているのですが、在宅でも極力質の高い医療を提供したいとの変わらぬ思いで、今まで通り外来診療時間を割いてでも訪問診療を継続しております。
訪問診療は元来、身体が不自由で重篤な病気を持っていらっしゃる方が大半です。その方たちの中で、よく食べ物がうまく飲み込めない、顎をうまく動かすことができず”そしゃく”どころか会話もままならない。そんな現場をしょっちゅう目の当たりにします。

こういった状況の中で、真の口腔ケアが在宅医療現場で求められているところですが、大半が放置されており、それによって摂食障害や誤嚥性肺炎などを引き起こしてしまうことも珍しくありません。

そんな中、先日口腔ケアを専門に臨床・研究されている、九州歯科大学の柿木保明先生による摂食機能療法に関する研修に参加してまいりました。

多くの障害を抱えられている高齢者に対する口腔ケアは、なかなか複雑な要素が絡み単純に物事が運びません。
そんな中、柿木先生はありとあらるゆ手段を駆使して日々の臨床に役立てておられます。

今回はそんな一端を紹介していただきました。
こんご超高齢化を迎え、ますます口腔ケアのニーズは高まっていく一方、われわれ歯科業界がそのニーズにお応えできるだけのスキルをみにつけていないさびしい現状があります。

当院ではそういったことに惑わされずに、積極的に口腔ケアのスキルを向上させ、今後も多くのニーズに対応できるようにしていきたいと思います。

| seiji0024 | 訪問診療 | 11:49 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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